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新宿の中村屋サロン美術館で「會津八一」展 多才な顔と中村屋との関わり紹介

「獨往」 1945~50年ごろ 新潟市會津八一記念館所蔵

「獨往」 1945~50年ごろ 新潟市會津八一記念館所蔵

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 歌人、俳人、書家、教育者、美術史研究者とさまざまな顔を持つ會津八一(あいづやいち)の展示「独往(どくおう)の人 會津八一展」が9月15日から、新宿の「中村屋サロン美術館」(新宿区新宿3、TEL 03-5362-7508)で開催される。

會津八一が手掛けた「菓子銘の題字」 中村屋蔵

 1881(明治14)年に新潟市の料亭「會津屋」の次男として生まれた八一。中村屋創業者の相馬愛蔵、黒光夫妻の長男・安雄が早稲田中学時代に八一の教え子だったことから、以後、安雄が中村屋の社長に就任すると、新潟から上京の度に中村屋を訪れるなど親交が続いた。

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 中村屋の看板を手掛けるほか、菓子のラベルには八一が文字や書画を書いたものがあり、月餅、小型ようかんは現在でも同じ文字が使われている。今回の展示では書家、歌人としての作品だけでなく、教育者、東洋美術史家としての八一にも触れ、書、油彩、収集品などの展示を通じて中村屋との関わりを紹介する

 タイトルの「独往」は八一が出版した歌集「南京新唱」の自序に出てくる言葉。「他人に頼らず自分の力で歩進める」の意味で、伝統的な歌壇、書壇の外側で独自の世界を切り開いた八一の生き方を示す言葉と言えると付けられた。

 俳句に熱中し、仏教美術を研究して短歌を残した八一による「独往」の書のほか、古代中国文字から現代の活字までを研究した独自の書、1929(昭和4)年に描かれた「鉢 書籍」などの油彩、人間としてどう生きるかの指針でもある「学規」、東洋美術研究の中で集めた漢、前漢時代のコレクションなどが並ぶ。

 10月13日、11月17日の14時からはギャラリートークも予定する。約50分で事前申し込みは不要。開館記念日となる10月29日には来館者に、八一が書いた菓子銘が入った小型ようかんを進呈する。

 開館時間は10時30分~19時(最終入館は18時40分)。火曜休館。入館料は300円(高校生以下、障がい者とその付き添い無料)。開催期間は前期=10月29日まで、後期=11月1日~12月9日。