バルカン半島を中心に、旧共産圏に残る廃墟やスポメニック(戦争記念碑)を撮影した写真家、星野藍さんの写真集「旧共産遺産」(東京キララ社)が7月1日に刊行されたことを記念し、7月20日から「新宿眼科画廊」(新宿区新宿5、TEL 03-5285-8822)で写真展が開催される。
写真集「旧共産遺産」よりスポメニックの一つ「ボスニアのモスラヴィナ革命記念碑 ©星野藍
書道家やグラフィック&UIデザイナーとしても活動する星野さんは福島県出身。いとこの死や、軍艦島に渡ったことをきっかけに廃墟を被写体として撮影を始める。近年は、強く引かれているという旧共産圏、ソビエト、未承認国家にも足を運び撮影を続ける。各地で個展を行うほか、著書に「チェルノブイリ/福島~福島出身の廃墟写真家が鎮魂の旅に出た」(八角文化会館)、「幽幻廃墟」(三才ブックス)がある。
収録写真には「ケレンフェルド発電所」(ハンガリー)、「人民蜂起記念碑」(クロアチア)、「サラエボ五輪跡」(ボスニア)や、廃列車の墓場(ギリシャ)、廃空港(キプロス)などが並ぶ。版元の担当者は「星野さんは仕事の傍ら長期休暇を利用して1人で撮影に出掛け、時には車で何時間も掛けて丘の上に建つモニュメントなどを撮影してくる。出版から男女問わず反響をいただいていて、廃墟ファンだけでなく、共産圏や軍事、SFに関心のある方など、それぞれの興味を引いているように感じる。普段なかなか見る機会のない、奇抜な廃墟や朽ちゆくスポメニックなどを見てもらえたら」と話す。
関連イベントとして24日19時~、「紀伊國屋書店新宿本店」9階イベントスペースでトーク&サイン会を行う。現在、同書購入者に整理券を配布。定員は50人。27日18時~19時には、「新宿眼科画廊」でトークショーも行う。定員は15人。参加無料。要予約。
144ページ。価格は2,500円(税別)。