「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」-若松監督ら初日舞台あいさつ

出演者が勢揃いした壇上。当日は立ち見が出るほどの盛況ぶりだった

出演者が勢揃いした壇上。当日は立ち見が出るほどの盛況ぶりだった

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 第58回ベルリン国際映画祭など数々の賞に輝いた話題作「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」が3月15日、テアトル新宿(新宿区新宿3、TEL 03-3352-1846)で封切られ、若松孝二監督と出演者が舞台あいさつを行った。

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 同作品は、若松監督が長年制作を熱望していた「連合赤軍」を内側から描いたもので、第58回ベルリン国際映画祭、最優秀アジア映画賞、国際芸術映画評論連盟賞、東京国際映画祭「日本映画・ある視点」作品賞など、数々の賞を受賞している。昨年末から試写会が開かれており、映画関係者や評論家の間でも大きな話題となっていた。

 内容は、激化をたどった1960年代の学生運動を当時のフィルムを織り交ぜながらドキュメンタリー手法で追いつつ、連合赤軍の結成から内部崩壊、あさま山荘立てこもり事件へとつながるメンバーたちの行動・思想をドラマとして丹念につづったもの。「総括」の名の下に激しいリンチへと暴走する学生たちの姿を、出演者たちは鬼気迫る演技でリアルに演じ、あさま山荘場面のロケでは若松監督自身の別荘を破壊しながら撮影するなど、観客を圧倒する迫力ある作品に仕上がっている。

 当日は上映後に3回の舞台あいさつがあり、並木愛枝さん、ARATAさん、地曳豪さん、坂井真紀さんなど、ほとんどの出演者が登壇。22時過ぎに始まった最終回には佐野史郎さんが加わり華を添えた。若松監督のスピーチに続き、全員のスピーチ、観客との質疑応答と進む中、若松監督は各役者のスピーチごとに撮影エピソードや役者本人に対するコメントを話し、質問にも詳しく応えるなど、24時近くまで舞台あいさつは続いた。

 若松監督は「連合赤軍については長い間制作意欲を持ち続けていたが、どうしても作らなければならないと感じたのは、原田眞人監督の『突入せよ!あさま山荘事件』を見たこと。体制側から描いたあの作品では連合赤軍に参加した学生たちの心情がまったく描かれてなかった。腹が立ってどうしようもなかった。なぜ彼らがあの行動に至ったのか、その時代背景はどうだったのか、そこを今の時代に伝えたかった」と話した。

 リンチを受け死亡した遠山美枝子さん役を熱演した坂井真紀さんは「どうしても若松監督の作品に出演したいと思い、佐野史郎さんの手を借りてオーディションを受けた」と話し、佐野さんは「飲む度に若松監督から連合赤軍の映画を撮りたいという話を聞かされてきた。歳を取ってもう僕の出演する役はないだろうと思っていたところ、若松さんが役を振ってくれた。坂井さんとはたまたま若松監督の話になったのでオーディションがあるよと伝えた。すべては縁なのでしょう」と話した。

 同作品は上映時間が3時間と長いために、上映は1日3回(11時30分、15時20分、19時10分)。料金は2,000円。

名駅の映画館会員が選ぶ「2007年映画ベストテン」発表(名駅経済新聞)若松孝二監督最新作「実録・連合赤軍」を先行上映-シネマスコーレ(名駅経済新聞)「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」ホームページテアトル新宿

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