![妙正寺川を彩る百人染めの反物 2024年川のギャラリーより (写真提供=ねこみちアートフェス)](https://images.keizai.biz/shinjuku_keizai/headline/1738910216_photo.jpg)
今でも染色業が躍動する街、新宿の落合・中井で2月21日~23日の3日間、街を染め物のギャラリーに見立てた住民主体のイベント「染の小道」が開催される。場所は西武新宿線・都営地下鉄大江戸線の「中井駅」周辺。共催は新宿区、新宿区染色協議会、中井商友会、中井商工会。
英文での表記を加えて今年復活した染の小道ショップカード(写真提供=染の小道実行委員会)
今回で16回目となる同イベント。第1回は2009(平成21 )年2月で、数軒の染色工房、湯のし店やギャラリーなどが始めたという。運営は当初から変わらず今年も、地域内外から集まるボランティアが行う。協力する大学は昨年の目白大学・目白大学短期大学部、東京造形大学、東京富士大学に加えて初めて昭和女子大学が参加する。
2025年の実行委員会代表で、一般社団法人「染の里おちあい」代表理事の高市洋子さんは「以前作成していたショップカードが今年復活した。英文での表記を加え、開催年月日を記載せず来年以降も使えるように工夫し、6000枚を印刷。実行委員が各自持ち歩くことで、イベントPRに力を入れていきたい」と話す。
染め物を川の水で洗い流す作業を再現する「川のギャラリー」は、妙正寺川に架かる寺斉橋を中心に約300メートルに及ぶ。「百人染め」として小学校や福祉施設などで一反の白生地に手染めした反物を飾る。絞り染めや友禅染など染色の技法で染め上げたのれん96枚は「道のギャラリー」として店の軒先に揺れる。
落合第五小学校で行う「染のがっこう」では、草木染、藍染、紅型(びんがた)、型染めの技法を学ぶ4つの染色ワークショップを実施。「スワンベーカリー落合店」(新宿区中落合1)が会場となる「音の小道」には7グループ(予定)が出演する。参加費700円(パンとドリンク付き)。
中井の街なかなどを紹介する「公式ガイドツアー」への予約は公式サイトで受け付ける。昨年に続いて今年もサコッシュスタンプラリーを開催。参加費(材料代含む)は1,000円。スタンプの絵柄は東京造形大学の学生が新しく制作した。
併せて、猫にちなんだ作品などが並ぶ「ねこみちアートフェス2025」(21日・22日の10時~16時)や上落合中央町会主催の「ランタンアートフェスティバルin中井駅南口広場」(22日11時~19時、23日15時まで)も開催する。
高市さんは「工芸が好きならどなたでも歓迎。今年はのれんの出品に香港から多くの参加があったが、世界からの参加が増えている。軒先に揺れる作品を見比べて海外と国内の違いを感じてもらえたら」と来街を呼びける。
手染めのれんが飾られる場所を示した「道のギャラリーマップ」などを掲載する「染の小道2025パンフレット」は期間中、西武新宿線中井駅南口設置の案内所などで無料配布。公式サイトからもダウンロードできる。
「川のギャラリー」は9時に設置を始め、展示完了は10時30分ごろ、撤収開始は15時30分ごろ、終了は17時ごろを予定。雨天時は一部展示。「道のギャラリー」は各店の営業時間による。「染のがっこう」は22日・23日の11時~16時。「音の小道」は23日11時~15時ごろ。