ビームス(渋谷区)が農林水産省と取り組む新たなプロジェクト「たがやすBEAMS JAPAN~食のカルチャーとスタイルを伝える~」が1月26日、新宿の「BEMAS JAPAN(ビームスジャパン)」(新宿区新宿3、TEL 03-5368-7300)で始まった。
農林水産省×BEAMS JAPAN「たがやすBEAMS JAPAN」記者発表会に登壇した武部新農林水産副大臣(右)、ビームス 加藤忠幸さん(左)
農林水産省が行っている国民運動「ニッポンフードシフト」(日本が直面する食や農業について考えるきっかけづくりになるような各種キャンペーン)に同社が共感し、初のコラボプロジェクトとして展開する。日々の暮らしの中で「食」と「農業」について考えるきっかけづくりを目指す。
ディレクションはビームス バイヤー兼オリジナルブランドSSZ(エス エス ズィー)ディレクターを務め、自身も神奈川県の大船を拠点とする加藤農園4代目である加藤忠幸さんが担当する。イベントに先立って行った記者発表会に登壇した加藤さんは「当社は衣食住を通してライフスタイルを提案し、幸せを形にする会社。その中で食を支えるのは農業であると思った。自分がリアルに土を耕す中で感じたことを若者に伝える手段はないかと考えたことが今回のプロジェクトにつながった」と話す。
別注アイテムとしてネービーカラーを使ったウエアを4アイテム製作し販売する。「自分が農作業をする中でこういうものがあればいいと感じたことを生かして作った。農業にも使えるが、ビジュアル的に若い人が普段の生活の中でおしゃれに着られるようなデザインになっている」と加藤さん。
コーチジャケット(2万4200円)は「フロントポケットがメッシュ素材になっているので工具や裁ちばさみを入れても衣類を傷めることがない。市場で野菜を売る時などの金銭授受にも便利」と加藤さん。ほかにウエストドローコードが付いたパンツ(2万2000円)、袋構造でエコバッグにもなるベスト(1万3200円)、ミリタリーポケットが付いた「手甲(てっこう)」(6,600円)をそろえる。
週末は、同店1階に「BEAMS JAPANソクバイジョ」を設け、加藤農園のほか、2団体が週替わりで採れたての野菜を直売する。加藤さんは「自分も働きながら野菜を作り、市場で実際に売っている。どのような背景でどう作っているのか、おいしい食べ方なども併せて伝えられる場所を作りたいと思った」と話す。
野菜を育てるプランターや農機具も店内に展示し、野菜や加工食品の販売などと合わせて、農業を身近に感じられるポップアップショップを展開する。「服を見に来た人に気軽に野菜作りを体験してもらえるように」と作ったノベルティー「おうちでたがやす栽培キット」は、店頭で3,300円以上購入した人に進呈する。
加藤さん「タイトルに付けた『たがやす』は『カルチャー』の語源になっている言葉。農業というのは自然と向き合って成り立つ営みになっている。本プロジェクトが若い方にとって食を考えてもらうきっかけになれば」と意気込む。
営業時間は11時~20時。2月28日まで。