新宿駅の西口エリアにある新宿中央公園(新宿区西新宿2)園内にキノコの一種である「アミガサタケ」が生えているのを「関東きのこの会」のメンバー、露木啓さんが発見した。
新宿中央公園内に顔を出した「アミガサタケ」 東京都庁を背景に。 写真提供:露木啓さん
3~4月ごろに見られ「春のキノコ」の代名詞とも言われる「アミガサタケ」は、日本では食べる文化がほとんどないが、海外では「モリーユ」「モレル」などと呼ばれ販売もされている高級食材。露木さんは「時代劇などで虚無僧(こむそう)がかぶっている編笠(あみがさ)に似ていることからその名前が付いた」と話す。
見つけた発生場所は、園内にある管理事務所や熊野神社寄りのエリアで、「『アミガサタケ』はサクラやイチョウの木の近くに生えるが、今回はイチョウの近くだった」と露木さん。
休日に家の近所や公園などでキノコ散策をする露木さんは20代前半、天然キノコ狩りに行ったことをきっかけにキノコに夢中になったという。「高校の同級生と一緒に富士山にキノコ狩りに行く機会があり、その時に初めて、色鮮やかで形もさまざまな多種のキノコが生えていることを知り夢中で写真を撮った。キノコにまつわるブログを書き始め、キノコの先生や『きのこ盆栽家』『きのこ女子』などキノコ好きの友人が増えるにつれ、一緒にキノコ狩りやキノコイベントに行く機会も多くなり熱中するようになった。キノコの栽培キットに挑戦するのも好きで、『ヤコウタケ』という光るキノコも栽培した」と露木さん。
昨年10月には、キノコでつながった知人を集めて「関東きのこの会」を発足し、キノコ散策やキノコに関する情報発信を行うなど活動も始めた。
「『アミガサタケ』は変わった形状のカサをしているため、キノコに不慣れな人には奇妙な形に見えるかもしれないが、あまりキノコのない冬の時期を越え生えてくる春のキノコなので、初物を見つけるとうれしい気分になる」と露木さん。
「気付かないだけで、意外と身近な環境にもキノコは生えている。天然キノコの中には食べられないものや毒を持つものもあるので、キノコ狩りは気軽に勧められないが、きれいな模様や奇怪な形状などを眺めたり、写真を撮ったり、みんなで散策しながら楽しんでみては」と呼び掛ける。