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新宿でドキュメンタリー映画「新宿タイガー」 45年虎の面かぶる男と街の歴史追う

ドキュメンタリー映画「新宿タイガー」に出演する新宿タイガーさん ©「新宿タイガー」の映画を作る会

ドキュメンタリー映画「新宿タイガー」に出演する新宿タイガーさん ©「新宿タイガー」の映画を作る会

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 新宿で40年以上にわたり、虎の面をかぶり派手な格好で新聞配達をする男性を追ったドキュメンタリー映画「新宿タイガー」が3月22日から、テアトル新宿(新宿区新宿3、TEL 03-3352-1846)で公開される。

映画「新宿タイガー」メインビジュアル ©「新宿タイガー」の映画を作る会

 「新宿タイガー」と呼ばれる男性は、24歳だった1972(昭和47)年、上京した新宿の稲荷鬼王神社の屋台に並ぶ虎の面を見て「一生、タイガーとして生きる」と決意する。監督・撮影・編集を手掛けた佐藤慶紀さんは、「それまでタイガーさんのことは知らなかったが、写真を一目見て、この人のことをいろいろ知りたいと思った」と話す。

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 佐藤さんは1975(昭和50)年愛知県出身。アメリカの南カリフォルニア大学・映像制作学科卒業。これまでに家庭崩壊を描いた長編映画「BAD CHILD」や、「HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話」などを手掛ける。

 今回自身初となるドキュメンタリー作品について、佐藤さんは「自分の頭の中で考えながら進めるフィクションと違い、自分が思っていないことも起きるので、映し出す対象の人をより観察しいろいろなことをくみ取れたらと思った」と振り返る。

 新宿タイガーさんは1998年、新宿の「Flags」内に「TOWER RECORDS」がオープンした際と、2012年同店リニューアル時のポスターにも起用された。映画は寺島しのぶさんのナレーションの下、新聞販売店、「TOWER RECORDS新宿店」の関係者、俳優、女優やゴールデン街の店主たちなど、さまざまな人へのインタビューを通じて、一人の男性の日常と新宿の街が担ってきた役割を描く。

 休日には1日に何本も見て回るほど映画好きな新宿タイガーさんは「カメラの前でも自然体でいられた。作品を見た後はもう感無量。とにかく膨大に撮影した映像を見事なまでにきれいにまとめてくれた佐藤監督は素晴らしい」と話した。

 佐藤さんは「タイガーさんは、『愛と平和』をモットーに新宿で40年以上もパフォーマンスを続けてこられたので、必然的に新宿の歴史も同時に描けると思った。実際に会ったらとても明るく愉快な方。今の時代こそ、映像を通して虎の面の裏に隠された彼の意図と、一つのことを貫き通す素晴らしさを感じてもらえたら」と話す。

 配給は渋谷プロダクション。テアトル新宿レイトショーほか全国順次公開予定。