児童養護施設の日常を8年間にわたって追ったドキュメンタリー映画「隣る人(となるひと)」が12月2日、落合第一地域センター(新宿区下落合4)で上映される。上映後は、同作を企画した稲塚由美子さんを交えてのアフタートークも開く。主催はNPO法人「スキルポート」。
「隣る人」は「となるひと」と発音し、「聖書の言葉で人がいかなる状態でも隣りにい続ける人」を意味する。同作品は、「子どもたちと暮らす」ことを実践する児童養護施設「光の子どもの家」の生活に8年にわたって密着し、その日常を淡々と描いたドキュメンタリー。監督はフリージャーナリスト集団「アジアプレス・インターナショナル」に所属し、フィリピンやインドネシアなどアジアの児童問題を取材してきた刀川和也さん。
同NPOの千野さんは、同作について、「ある環境にいる子どもたちと彼らに寄り添う大人たち」と話す。「画面には音楽もナレーションもテロップもない。声高な主義も主張もない。画面には、その場所の日常があり、それを受け止めている自分がいる」と話す。
新宿での上映会は今回で4回目。「近頃、児童や障がい者を巡る事件が増えているが、この映画に心震わせる人々が世の中にはたくさんいることが確認でき、それが喜びでもあり救いでもある。皆さんにも心を震わせてほしい」と呼び掛ける。
稲塚さんは「子どもとは、こんなにも『揺るぎない誰か』を求めるものだろうか。児童養護施設の中にあった人が人になるための大事な日常と隣る人の存在。いとおしい子どもたち、いとおしい人々に会いに来てほしい」と話す。
上映時間は14時~16時45分。受付開始は13時15分。参加費は、一般=700円、学生と収入の無い人=500円。未就学児と小学生低学年の入場は不可。定員は先着120人。託児所の用意もあり。