下落合で北斎の復刻浮世絵展-楳図かずおさんのオマージュ作品も

赤富士の展示コーナーに見入る来場者たち

赤富士の展示コーナーに見入る来場者たち

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 伝統木版画を制作・販売するアダチ版画研究所(新宿区下落合3、TEL 03-3951-2681)で現在、「北斎生誕250 周年250周年記念企画展 ザ・ベスト・オブ・北斎 -『赤富士』を生んだ天才と匠の技-」が開催されている。

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 1928(昭和3)年創業の同社は、浮世絵で培われた伝統木版技術を継承し、木版制作を続けている。これまでに、江戸の浮世絵を当時と同じ作り方で約1,200種類の復刻版を制作してきた。

 同展ではアダチ伝統木版画技法保存財団監修の下、現代の彫り師・すり師によってよみがえった葛飾北斎(1760-1849)の復刻浮世絵約30点を展示。冨嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」「甲州石班沢」のほか「あやめにきりぎりす」「九段牛ケ淵」などが並ぶ。今回は北斎の浮世絵のほか愛嘔さん、楳図かずおさんの赤富士へのオマージュ作品「冨嶽噴火 凱風虹快晴」「赤富士とまことちゃんなのら~乃圖」も紹介する。

 展示の見どころとも言える北斎の「赤富士」について、同研究所の中山周(めぐり)さんは「一切の無駄をそぎ落とした簡潔な表現でありながら、木版の効果を最大限に発揮した究極の姿。『赤富士』にクローズアップし、現在も世界中のファンに愛され続けている北斎の魅力に迫る。この作品の魅力を制作技術の面からひも解き、新たな木版画の制作に活用していきたい」と話す。

 中山さんは「江戸時代と同じように、鮮やかな色彩の浮世絵を手にとって見ることができる。北斎の驚くべき才能と伝統木版技術の奥深さを紹介する」とも。

開催時間は10時~18時(土曜・日曜は17時まで)。月曜・祝日休館。6月6日まで。

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