西新宿のドラッグストア「ウエルシア O-GUARD新宿店」（新宿区西新宿7、TEL 03-5337-8015）が5月15日、LGBTQ＋を含む多様な人々が安心して買い物ができる環境づくり「インクルーシブ・ショッピング プロジェクト」の取り組み1号店として新たなスタートを切った。

取り組みの第1号店となったO-GUARD新宿店

　P＆Gジャパン（兵庫県神戸市）とウエルシアホールディングス（千代田区）が協働で進める同プロジェクト。両社は2022年夏から9カ月をかけて、多様性に配慮した接客を提案する「インクルーシブ・ショッピング ハンドブック」を共同で開発。LGBT専門求人サイトを運営するJobRainbowが監修し、LGBTQ＋当事者や店舗販売スタッフを交えたワークショップとアンケートを実施。ハンドブックにはLGBTQ＋の基礎知識をはじめ、実際のドラッグストアでの接客場面を想定し、配慮するべき事例を挙げている。

　同店は、立地的に当事者の利用が多いことからフラッグシップショップ1号店に選ばれた。調剤薬局も含め24時間営業で、店内にはLGBTQ＋の理解者・支援者であるアライを標榜するポスターを掲げ、売り場の陳列も一部変更した。「当初、男性用化粧品は1階、女性用は2階に売り場があった。お客さまを案内する際、従業員側にも戸惑う場面があったという。性別での陳列から用途別の陳列に変更し、顧客自身に幅広く選んでもらえるようにした」と古川洋平店長は話す。1階はガラス張りで外からの視線が気になり選びにくいという声もあり、男性用ヘアケア商品も2階へ移設し「男性用化粧品」の表示を撤去した。

　調剤エリアには個別相談ブースを設置。声が漏れにくく、書類や処方している薬が見えにくいように囲いを設けた。薬剤師の的野さんは「今まではレイアウト上、狭くて立って接客していた。新設の個別相談ブースには、座れるスペースができた。LGBTQ＋の方だけでなく、立つのが辛い方などにも快適に買い物してもらえれば」と話す。

　同店の従業員は、今回作成したハンドブックを活用した研修を受講した。ハンドブックの全ページはP＆Gホームページからダウンロードできる。