新宿西口「思い出横丁」でアートイベント-8メートルののれん絵巻も

昨年ののれんと「街並みアロハ」を身に付けたスタッフ

昨年ののれんと「街並みアロハ」を身に付けたスタッフ

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 新宿西口商店街の飲み屋街「思い出横丁」(新宿区西新宿1)で10月26日から、アートイベント「思い出横丁町並み絵巻プロジェクト 2009」が始まる。東京工芸大学准教授でコミュニケーションアーティストの笠尾敦司さんが企画した。

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 思い出横丁は戦後の闇市から続く、やきとり店、もつ焼き店、居酒屋、すし店などが並ぶ飲み屋街。同プロジェクトでは、思い出横丁の街並みを描いたのれん、利用客が彩色した横丁の絵などを各店舗や道路に展示し、「アートを通して横丁の将来を考える。横丁に多くの人の関心を集め、皆さんの意見を聞ける場を作るため、横丁の一番の魅力である街並みをアートにすることにした」と笠尾さん。

 線路通りには昨年、同横丁の線路沿いの街並みを8メートルののれんに描いた「街並み絵巻巨大のれん」、仲通りには「街並み絵巻つぶやきギャラリー」と題して18枚の「つぶやきバナー」を展示する。「つぶやきバナー」は、訪れた人が横丁に対してつぶやいた「この横丁なくなっちゃうの?(この活動を見て一言)」「あーあ、また大ガードに来ちゃった、戻る?(初めて横丁に来た若者)」などという一言と街並みイラストを組み合わせたもので、利用客はその下をくぐり抜けながら作品を見ることができる。

 ほかにも店内での展示、「お店ギャラリー」も行う。「五十鈴」では同店で扱う道具と横丁に来た人々が合体して生まれた付喪神が店内で騒いでいる様子を描いた「思い出横丁五十鈴付喪神絵図」、「串衛門」では同店に集まる人々の顔をコラージュした作品、「但馬屋」では昔の思い出横丁を描いた水彩画「昔の思い出横丁水彩原画」、「鳥園」と「大黒屋」では2008年・2009年の街並み絵巻を展示するほか、協力店ではスタッフが「街並みアロハ」を身に着け営業する。

 期間中、毎週火曜の夜と土曜の午後に水彩ワークショップと「顔」で答える思い出横丁・顔アンケート作品制作を実施する(雨天中止)。同イベントの広報担当者は「思い出横丁のさまざまなシーンを描いた下絵に水彩絵の具で自由に色を塗って楽しんだり、顔で思い出横丁に物申したりと、楽しいワークショップを企画する」と話す。

 今後の展開について笠尾さんは「このアートイベントそのものを自立的に運営できるようにしたい。街並み絵巻が街の一つの財産になるのでこれらを販売し、その売り上げでイベントを回していけるようにしたい」と意気込みをみせる。「見ても楽しくコミュニケーションができ、塗りながらも楽しくコミュニケーションができるこの街並み絵巻プロジェクトにぜひ参加してください」とも。

 開催は11月14日まで。昨年は線路沿いの街並み、今年は仲通り東側を作ったため、来年は仲通り西側を絵巻にする予定。

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