東新宿のニュースカイビル（新宿区大久保1）に3月13日、パフォーマーでアーティストの円奴（まるやっこ）さんがギャラリー「どっきん実験室」（TEL 080-4688-1091）をオープンした。同日よりオープニング展「MARU-YaCcO　exhibition」を開催している。

　円奴さんは1990年代、東京のクラブカルチャーの黎明（れいめい）期より「芝浦GOLD」「西麻布Yellow」といった大型クラブでダンサーとして活躍してきた。近年では「新木場ageHa」を中心に大胆であでやかなショーを展開するパフォーマンス集団「東京キャバニー」のメンバーとしても活動。篠山紀信さんや蜷川実花さん、レスリー・キーさんなどの著名写真家の被写体としても知られるほか、デザイナーとしては、これまでにテクノユニット「電気グルーヴ」のCDジャケットなどを手掛けてきた。

自身の表現スタイルについて、円奴さんは「絵を描くこともショーで踊ることも出力の仕方が違うだけで自分にとっては同じこと。今回はずっと私の心の中に存在していたキャラクターたちを作品としてお披露目できる機会ができてうれしい」と話す。男性から女性へと性別適合手術（性転換手術）を経験した円奴さんは「自分の自由な表現活動が、セクシュアルマイノリティーに対する社会的理解の促進につながれば」と期待を寄せる。

　会場とあるニュースカイビルは、陸軍船舶兵出身の建築家、渡邊洋治（1923～1983）の代表作。その奇抜なデザインから、通称「軍艦ビル」「軍艦マンション」と呼ばれる。6階のギャラリー会場には、「どっきん実験室」のマスコットキャラクター「どっきんちゃん」のフィギュアをはじめ、絵画やオブジェなど円奴さんの独創的な作品が多数展示されている。

　「MARU-YaCcO　exhibition」の開催時間は火曜～土曜の16時～19時。入場は無料だが、アポイント制のため事前の連絡が必要。今月24日まで。同展終了後もセクシュアルマイノリティーのパフォーマーを中心に、さまざまアーティストにフィーチャーした独自の企画、イベントを展開する予定。