大都市で生き抜く個人店経営術に注目-名物喫茶「ベルク」が書籍に

ブルース・インターアクションズから発行された「新宿駅最後の小さなお店ベルク」(1,680円)

ブルース・インターアクションズから発行された「新宿駅最後の小さなお店ベルク」(1,680円)

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 新宿東口の名物喫茶店「ベルク」(新宿区新宿3)を扱った書籍「新宿駅最後の小さなお店ベルク」(発行=ブルース・インターアクションズ、1,680円)が7月4日、発売された。

 同店は1970年に同所で純喫茶としてスタートし、跡を継いだ現オーナー・井野朋也さんが低価格高回転型のファストフード店へと業態変更した。立地の良さと細やかなサービスで、開店当初より多くの文化人や俳優などに愛されてきた同店は、現在も1日平均1,500人の来客数を維持し、新宿という大きな経済圏の中で生き抜くための個人店経営術に注目が集まっている。

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 同書では、井野さんの経歴、同店の成り立ち、大手チェーンにはできないさまざまな経営の工夫などが、井野さん自身によって書かれている。同店の大きな特徴である、内壁を利用したアート展についても、発想から具体的な作業までを詳しく述べていて、井野さんを取り巻く家族のふれあいなどが描かれている。新宿という街について井野さんが語る部分も盛り込まれ、時代とともに文化の中心を担ってきた新宿の本質を知る楽しみも。

 「常にビートルズやジョン・レノンならどうしただろう?」と考えるという井野さんがたどりついた経営術は、ビジネスをライフワークととらえるもので、「グローバル化が進む都心のど真ん中で、こだわりと利益を両立させながら文化を育んできたと評価が高い」(発行元の宣伝担当・山本さん)という。山本さんは同書について、「新宿らしさを残しつつ、時代とともに変化しサバイブしてきた店の歴史と創意工夫、ユニークな経営術がすべて分かる。個人店がどのように生き残るかのヒントも満載」と話す。

 現在、同店はルミネエストから立ち退きを要求されているとして大きな話題になり、支援サイト「LOVE! BERG!」や1500人を超えるmixiコミュニティなどが開設され、半年間で約9,000人が署名運動に協力するなど、今後の動向に関心が集まっている。この件についても井野さんは同書の中で経緯などを詳しく書いているが、ルミネエスト側は取材に対し「ノーコメント」としている。

 新宿駅周辺の再開発が進み、古い駅ビルがファッションビルに変わるなど、個性的な店舗が徐々に消えゆく現状について、同店副店長の迫川さんは「私たちの願いは、お客様によりよいサービスを提供しながら、今までどおりこの場所で真面目に店を営業していきたいだけ。応援の声には本当に元気づけられている」と話す。

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