新宿三越アルコット(新宿区新宿3、TEL 03-3354-1111)は、同店の建築資材に化石が含まれていることに注目し、8月から小冊子「化石ガイド」を店頭配布している。
同店は建物自体に歴史があり、施設の各所に大理石を使用しているため、古代生物の姿が化石としてはっきりと確認することができ、東京では数少ない貴重な「化石の宝庫」としてマニアの間では知られていた。同店では、小・中学校などから「化石を見学したい」という問い合わせが増えたため、同ガイドを作成し店頭配布を始めた。
同店の内壁などに使用されているのは、昭和5年の新築開店で使用したイタリア北部原産の大理石と、昭和40年の増築で使用した山口県美祢市原産の大理石で、アンモナイト、ベレムナイト、ウミユリ、四射サンゴ、フズリナなど、数多くの化石が発見されている。
同ガイドでは、化石の種類や詳しい解説のほか、その化石が店内のどこで見られるかを見取り図とともに紹介。現在、同店内の1階下りエスカレーター、南口、地下鉄出入口の各ポケット、地下3階サービスカウンターで配布を行っている。
同店広報担当者は「気軽に知識とロマンを体感いただくため同ガイドを制作し店頭配布を始めた。これを機に地質学者や考古学者を目指すなど、子どもたちの夢が広がれば」と話している。