ビームス ジャパン6階 Bギャラリー(東京都新宿区新宿 3 TEL: 03-5368-7309)にて、現代美術家・増山士郎さんの展覧会、「毛を刈ったアルパカのために、そのアルパカの毛でマフラーを織る」 ~Weaving a scarf for the alpaca I sheared using its own wool~が開催されている。協賛はKick Starter, Arts Council of Northern Ireland。
同展では、ペルーの標高4900メートルの高山地帯で地元の人々の協力を得て、アルパカの毛を剃り、毛から糸を紡ぎ、マフラーを織る過程の記録映像を伴った最新のインスタレーション作品を展示。作品制作を通して増山さんが体験したことを、映像展示とトークで紹介している。
「ペルーは日本に比べインフラが整備されておらず、問題が出れば街や行政などに個人で交渉することも少なくない。一方で世界でも有数の行政によってインフラ整備がきちんとコントロールされた日本は便利ではありますが、それと同時に何か問題が起きても個人ではなかなか実現に結びつきにくい社会のシステムがあるともいえる」と増山さん。
「今回のペルーは滞在で考えさせられた大きなことは、特に田舎の人たちがインフラ整備とは無縁に完全に孤立した『自給自足の生活』を送っているということ。現代の生活に慣れてしまった私たち日本人にとって、このペルーのような社会が今まさに必要とされているのではないかと思う。ペルーでアルパカの首の毛を刈り、その刈った毛でマフラーをつくり、もとのアルパカに着けるという行為もそれらの動物にとっては大きなお世話ですが、よくよく考えてみれば、『自給自足的生活』や『自給自足的手法』なのだと思う。」とも。
会期は5月 6 日(祝・火)まで。
開催時間は11:00~20:00 (会期中無休) 。
入場料は無料。