ゴールデン街の「無銘喫茶」(新宿区歌舞伎町1)で9月10日、「Air Trip×世界家庭料理の旅」展が開催される。
1日だけの店舗レンタルが可能な同店は、これまでに文学喫茶やスナック、バーとして日々顔を変えて営業してきた。1階2階あわせて約20平方メートルのため、20人程度でいっぱいとなる。同日は、世界の食べ物と飲み物を振る舞う一日限定バー「Air Trip」とイラストレーターの織田博子さんが、バー&ギャラリーを開く。
織田さんは、「料理の絵を描いてると、食べるためだけに旅がしたくなる」という1984(昭和59)年生まれのイラストレーター。早稲田大学第二文学部を卒業後、昨年から食をテーマとしたプロジェクト「世界家庭料理の旅」を開始。世界18カ国を旅しながら同名のフリーペーパーを編集者の吉田絢さんと共に発行。世界各国の家庭料理を細かく描き込んだイラストと親しみやすい文章で伝えている。
訪問国は、ノルウェー、フィンランド、ロシア、カザフスタン、モンゴル、フランス、イギリス、オランダ、ドイツ、イタリア、スペイン、モロッコ、トルコ、インド、バングラデシュなど。旅でのエピソードや、「チェット・ブラール」(スウェーデン・ミートボールのコケモモジャム添え)、「プロフ」(ウズベキスタン・炊き込みご飯)、「メイティンローピン」(中国・肉まんじゅう)」などの料理を紹介してきた。
旅する1年ほど前から「世界の家庭料理を楽しむ会」を行っていた織田さんは、都内を中心に30カ国以上の飲食店を巡り、さまざまな年代や国籍の参加者と交流してきた。「飲食店のスタッフに、その国の言葉で、『おいしかった、ありがとう』と伝えると、すごくうれしそうに自分の国のご飯や文化について教えてくれる」という。「相手の文化を深く理解するのは難しいが、その国のご飯を食べれば感覚で理解できる。ご飯を食べるのは、一番簡単な国際交流。家庭料理なら、いろいろな人から共感を得られるのでは、と確信し、活動のテーマにした」と話す。
Air Trip は、「旅好きが語り合う場所」として、ゆん☆たんさんが同店で定期的に開いている。今回のメニューは、世界各国の15種以上のスピリッツを使用したカクテルのほか、ビールや焼酎を取りそろえる。カクテルは、ブラジルの「カイピリーニャ」、キューバの「モヒート」など(各700円)。
同展では、中央アジアの人々や食事風景をメーンとした原画10点、フリーペーパー「MEETSMEALS!『世界家庭料理の旅』」 (1号~6号)、自身のポートフォリオを展示する。展示作品は「中央アジアのバザール」「ウズベキスタンのおばちゃん」「中庭でくつろぐ」など。フリマコーナーも設け、バングラデシュやインドで購入した象の置物、服飾小物など約20点も並べる(100円~)。
ゴールデン街について、織田さんは「自分が変わる不思議な空間」と話す。「独特の雰囲気があるので、初めて訪れるきっかけとしてもぜひ展示を見に来てほしい。世界を旅してみたい人、旅行に興味がある人と一緒に話せれば」と笑顔を見せる。
営業時間は19時~翌5時。入場料(チャージ)は300円。問い合わせはMEETSMEALS!(oda@meetsmeals.com)まで。