1月8日に開催予定の「はたちのつどい」会場で新成人10人に無料で貸し出す晴れ着の「完成お披露目会」が12月8日、新宿区産業会館(新宿区西新宿6)で開催された。主催は新宿区文化観光産業部産業振興課。
晴れ着完成お披露目会会場の新宿区産業会館に並んだ振り袖と羽織袴
晴れ着は新宿区染色協議会の会員10人が製作した。同会会長の吉澤敏さんは「昨年秋、区長から『振り袖が準備できず、はたちのつどいに参加できない人のために晴れ着をレンタルする事業を委託したい』 と相談を受け、協議会の会員が着物を制作し貸し出すことを提案して実現した」と話す。
振り袖を、飯島武文さん、熊﨑和人さん、高橋孝之さん、平林隼人さん、宮﨑恭透さん(以上、手描友禅)、山本加代子さん(モダン紅型)、富田高史さん、砂川裕孝さん、根橋秀治さん(以上、江戸小紋)が、羽織袴を金田朝政さん(江戸小紋)が製作した。
貸し出す晴れ着を着用する新成人10人は、新宿区の呼びかけに応募した申込者の中から書類審査を経て8月に選んだ。着用する晴れ着は9日、同館で新作晴れ着を新成人に披露して行われた抽選会で決定した。方法は新成人が実際に晴れ着を見た上で自分が着用したい着物に投票。希望者がいなければ決定。希望者が複数の場合はくじで決めた。くじに外れた場合は着用者が決まっていない着物に再度投票し、重複した際はまた、くじを引いて決めた。
貸し出しは式典会場の京王プラザホテル(西新宿2)で行う。当日の専門スタッフによる着付けやヘアメークは同ホテルに設ける別室で行う。当日は晴れ着を着た新成人が新宿区の地場産業である染色業の魅力を伝えるために、同会が出展するブースで記念品の配布も担う。
吉澤さんは「新宿区が始めた『晴れ着を無料で貸し出す』事業を通じて、染色業を大勢の方に知っていただきたい。東京を代表する染の産地、新宿で白生地から加工された、さまざま染色技術を紹介できれば」と意気込む。
晴れ着の無料貸し出し事業は2025年以降も継続。今回製作した晴れ着を貸し出す。