スイスの高級時計メーカー、パテック・フィリップの「パテック フィリップ ウォッチアート・グランド・エキシビション 東京2023」が現在、新宿住友ビル(新宿区西新宿2)の三角広場で開催されている。
1839年、アントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとフランソワ・チャペックが設立した「パテック・チャペック社」に始まり、200年近い歴史を持つ。創業以来、ムーブメント(時計の駆動をつかさどる部分)と外装を自社で設計、自社内で一貫して製造し、手仕上げで組み立てる。
同エキシビションは2012年にアラブ首長国連邦のドバイで初めて開き、その後2013年に独ミュンヘン、2015年に英ロンドン、2017年に米ニューヨーク、2019年にシンガポールと展開し、今回が6回目となる。
同社広告・広報部長の大塚和泉さんは「ジュネーブ最後の独立した家族経営の時計メーカーが手がける高級時計の世界を、子どもから大人まで広く皆さんに知ってもらいたいという思いで開いている。1800年代にはすでに日本にも顧客がいて、細かい部分に宿る美を十分に理解する日本人の感性を当メーカーも大事にしている」と話す。
2500平方メートルを超える会場に、ジュネーブのローヌ通りにあるサロンや「パテック フィリップ・ミュージアム」、市郊外のプラン・レ・ワット本社工房などを再現する。大塚さんは「まるで新宿にジュネーブを運んできたように作り込んでいるので、街の通りやレマン湖岸、観光スポットでもある『花時計』など世界観に浸ってもらえるのでは」と話す。
希少なハンドクラフト・ルーム、ミュージアム・ルーム、マニュファクチュール・ルーム、ウオッチメーカー・ルーム、マスター・オブ・サウンドルームなどさまざまなテーマ・ルームに時計とオブジェを約500点並べる。時計は現行のコレクションを全てそろえるほか、1548年の最古の携帯時計を含む、「パテック フィリップ・ミュージアム」の歴史的なタイムピースも並べる。
大塚さんは「時計師なども来ているのでそうした仕事があることを知って興味を持ってもらったり、時計の音を聞いたり、美しいエナメルや彫金を見てもらったりなど、魅力に触れてもらえたら」と来場を呼びかける。
開催時間は10時~20時(最終日は16時まで、最終入場は終了1時間前)。観覧無料。要予約(乳幼児含む)。6月25日まで。