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新宿武蔵野館で「カツベン映画祭」 7プログラム上演、弁士8人出演

カツベン映画祭で上映する「死滅の谷」(写真提供=マツダ映画社)

カツベン映画祭で上映する「死滅の谷」(写真提供=マツダ映画社)

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 「第3回カツベン映画祭」が6月2日、新宿の映画館「新宿武蔵野館」(新宿区新宿3)で開催される。同劇場とシネマカリテで5月26日から展開する「新宿東口映画祭2023」の提携企画。

弁士の澤登翠さん

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 「カツベン(活弁)」は、モノクロのサイレント映画に語りを付け、説明する「活動弁士」の略。1920(大正9)年に開館し、2020年に100周年を迎えた新宿武蔵野館にはかつて徳川夢声や山野一郎といった日本を代表するような活動弁士が在籍し、無声映画の魅力を発信していた。今回の企画は活動弁士が一堂に会し、それぞれの得意演目を生演奏と共に展開するもので、マツダ映画社(足立区)が同館を運営する武蔵野興業の協力の下で行う。

 マツダ映画社の松戸誠さんは昨年の様子について「遠く九州や関西からも活弁ファンが来場してくれて、コロナ禍のウイークデーにもかかわらず全体で9割以上の席が埋まった。お客さまにとっても出演者にとってもまさに、お祭りのような大切な時間となった」と話す。

 設置したメッセージボードには、「カツベンを初めて見た。とても面白かった。ぜひ第3回もやってほしい」「人物によって声の調子が変わって、映画の中に入り込んだようだった」などのメッセージが寄せられたという。

 今回は全7プログラムを用意し、8人の弁士が出演する。ドイツのリッツ・ラング監督の初期作品「死滅の谷」に弁士として出演するのは、国内をはじめ海外にも招聘(しょうへい)されるなど各地で活動し、今年弁士デビュー50周年を迎える澤登翠さん。坂本頼光さんは今年生誕120年を迎える片岡千恵蔵主演の時代劇「男達(だて)ばやり」を、関西を中心に活動する大森くみこさんは内田吐夢監督の「喜劇 汗」を、弾き語り活弁・声優としても活動する山崎バニラさんは喜劇王ハロルド・ロイドの代表作「要心無用」を担当する。片岡一郎さんが担当するルパート・ジュリアン監督の「沈黙」はフランスのシネマテーク・フランセーズの協力で、フィルム発見後、日本初公開となる。

 今回新たに行った出演者オーディションで「武蔵野館の舞台に立たせてみたい弁士」として選出された3人の弁士も出演する。山内菜々子さんはグレタ・ガルボのハリウッドデビュー作「イバニエズの激流」を、縁寿さんは喜劇俳優ロスコー・アーバックル主演の「デブ君の漂流」、植杉賢寿さんは伊丹万作監督の時代劇「國士(こくし)無双」を語る。

 松戸さんは「多彩な生演奏付きで、各活動弁士が映画史を彩る傑作無声映画に命を吹き込む。映像、語り、音楽が三位一体となった活動大写真の魅力、個性豊かな人気弁士の競演を楽しんでもらえたら」と呼びかける。

 開演時間は10時。入場料は1プログラム2,000円(全席指定)。チケットは5月19日からオンラインで販売する。

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