小田急電鉄(新宿区)と東京地下鉄(台東区)が9月9日、新宿駅西口地区の開発計画の概要を発表した。
新宿駅周辺は、1885(明治18)年に駅が開業して以来、都心と郊外を結ぶターミナルとして発展してきた。戦後の復興計画を経て新たな駅や駅ビルが立ち、現在は7路線8つの駅が結節し1日の乗降客数は約380万人に上る。
駅周辺の建物の中には、築50年以上になるものも多くあり老朽化が進む中、東京都と新宿区は2018(平成30)年、新宿駅、駅前広場、駅ビルなどを一体的に再編整備し「新宿グランドターミナル」とするべく「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編」を策定した。実現に向け先行して進められているのが、2019年12月に都市計画決定された「新宿駅直近地区土地区画整理事業」で、西口エリアの開発計画は、この事業と一体となって行う。
開発が予定されているのは、現在「小田急百貨店」や「新宿ミロード」が入る建物のあるエリアで、高さ260メートルの高層ビルの建築を予定する。地上48階、地下5階で、高層部にオフィスを、中低層部には商業施設が入る。着工は2022年度で、2029年度の完成を目指す。
担当者は「高層と低層、両者の中間フロアには新宿の特性を生かして、来街者と企業などの交流を促すビジネス創発機能も導入し、イノベーションの創出を図る。低層部にはビジネス創発の情報に加え、新宿、小田急沿線や東京メトロ沿線などの情報を発信する機能も設ける。新宿グランドターミナルの一体的な再編を加速させ、新たなまちづくりを新宿全体へ波及、展開させていければ」と話す。