大豆やエンドウ豆などの植物から作られた「フェイクミート」が食べられる「本物の肉?フェイクミート・フェア」が10月25日、新宿の肉バル「パンとサーカス」(新宿区新宿3、TEL 03-6457-8532)で始まった。
フェイクミートのほか、畜産、ジビエ、昆虫の食べ比べができるプレート。写真のソースはバターナッツ、ゴボウ、紅芯ダイコンの3種類
同店は多様な肉をワインとともに楽しんでもらえたらと、牛や豚、鳥はもちろん、鹿やイノシシなどのジビエだけでなく、オーストラリアの天然肉カンガルーやラクダ、ダチョウ、ワニなど常時12種類ほどの肉をそろえる。
今回のフェアは「13番目」の肉として、肉好きな人とベジタリアンが共に食事を楽しめるよう立ち上げた。運営する宮下企画の宮下慧さんは「地球環境への負荷も低い植物から作られた肉を、牛肉などの『代替え品』としてではなく、新しい味覚の肉として味わっていただき、より多くの方に知ってもらえたら」と話す。
「4種のミートボール」(900円)は「畜産」「ジビエ」「昆虫」「大豆ミート」を、大豆原料のクリームチーズと季節野菜を合わせたソースと共に盛り合わせ、一皿で食べ比べできるメニュー。「姉妹店である『米とサーカス』で取り入れている昆虫メニューもフェイクミート同様、注目を集めているサスティナブルな食材。ヒヨコ豆にコオロギパウダーを混ぜて作っている。種類を全部当てた方にはワンドリンク進呈する」と宮下さん。
ほかに天然酵母のパンにフェイクミートパテをサンドした「フェイクミートハンバーガー」(1,200円)、アボカドと合わせた「フェイクミート×フェイクツナのタルタル」、牛のハム・チーズと、大豆ベースのハム・豆乳を発酵させて作ったチーズの「盛り合わせ」(以上、1,000円)も。12月からは製造過程で燻製し、香りや歯応えを工夫した「フェイクvsリアル ソーセージの盛り合わせ」の提供も予定する。フェイクミート食材は「グリーンカルチャー」(葛飾区)、ベジタリアンブッチャージャパン(豊島区)が手掛けるものを使う。
提供に先駆けて行った発表会に登壇したサイエンスライターの久野友萬さんは「温暖化が進み作物の収穫量が減るなど食料危機が迫っていると言われる中で、スマートフード、スマート農業など食の未来を変えようとする技術に世界が注目している。食べ比べできる店はほかにあまりないのでは」と話す。
宮下さんは「フェイクミートは高いポテンシャルを秘めていると考えている。食の選択肢を増やすことで、食事を楽しんでもらいながら、環境への配慮にも取り組んでいけたら」と期待を込める。
営業時間は、ランチ=11時30分~15時、ディナー=17時~24時。12月30日まで。