五輪フィギュアスケート金メダリストのジョン・カリーを追った映画「氷上の王、ジョン・カリー」が5月31日から新宿の映画館「新宿ピカデリー」(新宿区新宿3)で公開されることを記念し、6月11日、同作品にも出演するプロスケーターで元オリンピック選手のジョニー・ウィアーさんを招いたイベントが開催される。
配給を手掛けるアップリンク(渋谷区)の担当者は「アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領域にまで昇華させたカリーは金メダルを獲得するも、同性愛が公的にも差別されていた時代にゲイであることが公表され、世界中を驚かせ論争を巻き起こした。映画は、アスリートとしての姿だけでなく栄光の裏にあった深い孤独や挑戦などカリーの人生を描き出している」と話す。
同作品を手掛けたジェイムス・エルスキン監督は「僕がすごく気になったのは、ジョンが自分を社会に受け入れてもらうことを目指していたことで、それはこの映画の最大のテーマ」と言い、「『ボヘミアン・ラプソディ』のヒットなど、セクシュアリティの物語を社会が受け入れるようなったと思う。実話への関心が高まっていることは興味深い。映画は、ニュースを見るだけではできない感情移入が可能になる。自分が主人公と全く異なる人種、ジェンダー・アイデンティティーだったとしても、映画はその人の身になって感じることができる」と話す。
今回登壇するジョニー・ウィアーさんは1984年アメリカ生まれ。2006年トリノ五輪5位、2010年バンクーバー五輪6位。2008年世界選手権銅メダリスト。2013年に競技生活引退を発表後はさまざまなアイスショーに参加するなど活動する。衣装への関心が強く、自身のコスチュームのほか、羽生結弦選手などの衣装デザインも手掛けている。2011年に出版した自伝では同性愛者であることをカミングアウトし、同性との婚姻関係も経験。LGBTQ当事者としても積極的に発言、活動している。
担当者は「羽生選手も憧れというウィアーさんは、ファッションセンスも支持が高く、SNSのフォロワーは約40万人。幅広い活動を生かし、カリーから受けた影響や衣装へのこだわり、LGBTQと社会の在り方など『自分らしく生きるために』をテーマに語っていただく予定」と話す。
開催時間は18時45分~21時20分(予定)。上映後、トークイベントを行う。料金は3,500円(全席指定、映画ポストカードセット付き)。