新宿と紀伊國屋書店などにまつわる本を集めたコーナー「新宿の棚」が11月22日、「紀伊國屋書店新宿本店」(新宿区新宿3、TEL 03-3354-0131)1階中央にある「B zone」に常設された。
同スペースは「英國屋」の跡地に増床したもので、新宿通りに面した、主に新刊や雑誌、NHKテキストを並べた「A zone」と、洋書や洋雑誌を展開する「C zone」の間に位置する。
新宿や同書店が舞台として登場したり、名前が出てきたりする小説をはじめ、エッセー、ガイドブック、歴史書などさまざまなジャンルの関連本が並ぶ。担当者は「新宿に関わりのある本を集めたコーナーをずっと作りたいと思っていた。ようやく念願がかなった」と話す。
村上春樹さんの「ねじまき鳥クロニクル」や「ノルウェイの森」をはじめ、「新宿ゴールデン街物語」(渡辺英綱)や「新宿駅最後の小さなお店ベルク」(井野朋也)、「歌舞伎町の独特な生き物図鑑」(MAYURA)、「アウトロー俳句」(北大路翼)などのタイトルが並ぶ。「新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか」(SBクリエイティブ刊)や「新宿駅大解剖」(宝島社刊)など、一日の平均乗降客数がギネス世界記録にも認定されている新宿駅にちなんだ本も。
区内にある新宿歴史博物館が発行する書籍もそろうほか、1927(昭和2)年に同店を21歳で創業した田辺茂一にまつわる本が、赤いジャケットにピンク色のちょうネクタイ姿をした田辺のイラストパネルとともに並ぶ。担当者は「同パネルは、同博物館と田辺茂一生誕110年を記念した『作家50人の直筆原稿 雑誌「風景」より』と題した協同企画展を行った際、博物館の方が手作りしてくださったもの。『風景』は田辺が割引販売のできない書店のサービスとして考案し、来店者に無料で配布した雑誌で、同館では寄稿した作家の中から50人の直筆原稿などを展示した。その後、当店でフェアを行なった時に等身大サイズのものと合わせていただいた」と話す。
併せて、これまで3階で展開していた紀伊國屋書店出版部が刊行する書籍コーナーもスペースを広げ展開し、僅少本なども並べる。
「ほかはジャンル別に並べているが、当コーナーだけは『新宿』をテーマに、ジャンルをまたいでさまざまな本を一堂に見ることができる。まだ始めたばかりだが、認知度が高まり、皆さんに足を運んでいただけるようになれば」と期待を込める。
営業時間は10時~21時。