宿泊施設「ONSEN RYOKAN YUEN SHINJUKU」が2019年春、新宿5丁目にオープンする。企画、設計、運営はUDS(渋谷区)。
同社は2003年にホテル「CLASKA」(目黒区)の企画・設計を、2006年には子どもが仕事やサービスを体験しながら社会の仕組みを学ぶことができる「キッザニア東京」(江東区)のコンテンツ開発や企画・設計などを手掛けた。2010年に「ホテル カンラ 京都」、2018年に北京「MUJI HOTEL BEIJING」などホテルも展開してきた。
都営新宿線、副都心線、丸ノ内線「新宿三丁目駅」から徒歩5分に位置する同施設。18階建てで、193の客室を予定する。施設名称の「YUEN」は、「事の起こり」や「由来」を意味する「由縁」から名付けた。担当者は「新宿という、ビジネスホテルが集積しているエリアでホテルを造るに当たり、他と差別化を図った。限られた敷地に新築する宿泊施設でビル型ではあるが、ほかのビジネスホテルにはない魅力付けとして、日本らしさ、日本文化が凝縮した宿泊の形である『旅館』に注目し、その本質的な要素を編集して取り入れた」と話す。
最上階には箱根の源泉から運んだ湯が楽しめる、露天風呂付き温泉を備える。「新宿という繁華街の中でも、静けさと落ち着きのある空間や季節の花を飾った床の間、靴を脱いでくつろぐ小上がり、屋上にある温泉大浴場などを取り入れていくことで、日本らしさなどを感じていただけるような宿泊施設を目指したい」と担当者。
同社が近隣で運営する、訪日外国人向けのツアー販売や情報提供を行う「INBOUND LEAGUE」との連携も検討する。「当施設は地元商店会の取り組みにも参加しているので、宿泊のお客さまに周辺の商店街の店や催し物を案内するなど、ローカルな魅力を楽しんでいただけるようなサービスを提供していければ」とも。
「旅館が旅館たる由縁、その本質的な要素を、インバンドを中心とした都市旅行者にも利用しやすい形に空間とサービスに編集し、ビジネスホテルの価格帯で提案できれば。当施設をブランドとして今後各都市で展開していくことで、ビジネスホテルマーケットに新しい宿泊の選択肢を提供していくことを目指したい」と意気込みを見せる。