小田急電鉄が複々線工事の完成に伴い、2018年3月から新ダイヤで運行する。登戸駅~代々木上原駅間が複々線区間となり、列車の増発による通勤時間帯の混雑緩和や所要時間の短縮を実現する。
ラッシュピーク時(下北沢駅着8時前後の1時間)の列車を9本増発し、混雑率はやや圧迫感のある192%から、新聞や雑誌を読める150%程度に緩和できる見込み。町田駅から新宿駅までの所要時間は最大12分短縮されて37分となる。
星野晃司社長は「小田急は混んでいて遅いと言われていたが、そのイメージを一新できる」と自信を見せる。新宿から観光地までのアクセスも便利になる。取締役交通サービス事業本部長の五十嵐さんは「新宿・小田原間の所要時間60分を切ることは、小田急線開業以来の悲願。今回のダイヤ改正で59分になる」と喜びを語る。
東京メトロ千代田線への直通列車も17本増発して28本となり、乗り換えなしで都心へアクセスできる。小田急多摩線と江の島線から新宿駅直通列車、朝と夕夜間の通勤特急ロマンスカーもそれぞれ増発となり、快適でスピーディーな運行が可能になる。他社線への直通列車の増発による遅延の影響については、「混雑の緩和で、かばんが戸袋に挟まるといった遅延が起きる事象が減る。乗り換えもスムーズになるので、遅延は縮小傾向になると考える」と五十嵐さん。今後も課題として調整を進めるという。