新宿の「フォトグラファーズギャラリー」(新宿区新宿2、TEL 03-5368-2631)で現在、大島尚悟さんの個展「滲(にじ)んだ景色」が開催されている。
「フォトグラファーズギャラリー」が年1回発行する機関誌「photographer’s gallery press」
同ギャラリーは、木村伊兵衛賞などを受賞し国内外で写真展を多数開いてきた写真家・北島敬三さんが、かつて森山大道さんらと共に設立した自主ギャラリー「CAMP」を経て、2001年に立ち上げた。
年齢やキャリア、作品も異なる写真家が集まり共同で自主運営する。メンバーは入れ替わりもありながら、現在は北島さんほか16人で構成。メンバーの展示に加え、ゲストを招いての企画展、ワークショップのほか、写真集や写真にまつわる論考や特集を掲載した機関誌「photographer’s gallery press」なども発行している。
現在作品を展示中の大島さんはメンバーになって6年。北島さんが主催する写真のワークショップをきっかけに参加するようになったという。個展は今回で10回目。
「会期中はもちろん普段もそれぞれ担当する実務がある。作品制作だけして生きることは幸せかもしれないが、自主運営を通しリアルな問題に関わることで制作へのエネルギーも出る。足を運んでくれる方々との交流もあり作品につながるように思う」と大島さん。
撮影と並行して絵画作品の制作にも取り組んできたといい、同展では2008年~2014年に撮影した写真や、雑誌の切り抜きにアクリルペイントで彩色したもの、コラージュした新作などを展示する。
「日々の暮らしの中でふと沸き上がったり押さえ込んだりする感情」と似たものを感じながら衝動的に制作したという作品。「絵も写真も興味があるという人に気軽に立ち寄っていただけたら。近隣にはほかにもギャラリーが数軒あるので回って見る楽しみも」とも。
5月9日からは北島さんが三陸、福島の被災地を含め全国各地で撮影した連続写真展、全20回の11回目を予定する。
営業時間12時~20時。入場無料。5月7日まで。