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新宿で「十一ぴきのネコ」上演-長塚圭史さんが井上ひさし作品を初演出

演出の長塚さんと出演者たち

演出の長塚さんと出演者たち

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 新宿南口の紀伊國屋サザンシアター(渋谷区千駄ヶ谷5、TEL 03-5361-3321 )で1月10日から、こまつ座&ホリプロ公演「十一ぴきのネコ」が行われる。

 井上ひさしの戯曲を専門に上演する制作集団「こまつ座」などによる「井上ひさし生誕77フェスティバル2012」の第1弾。演出家・長塚圭史さんが手掛ける初めての井上作品で、初のミュージカル。

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 「十一ぴきのネコ」は、絵本作家・馬場のぼるによる「11ぴきのねこ」を原作に、井上が書き上げたネコだけが主役の初期の戯曲。人形劇としてNHKで放送され、宇野誠一郎の楽曲と共に好評を得る。1971(昭和46)年にはミュージカル仕立ての戯曲として書き直され、1989年のこまつ座公演で改稿が加えられ、「決定版 十一ぴきのネコ」として上演されている。11匹のネコが食糧を探し求めて旅をするというシンプルな物語ながら、「現代日本への痛烈な風刺をはらみ、井上のむき出しの思想が詰まっている」とされる。

 長塚さんは今回、1971年の台本を使用。同作が持つ現実を突き付けるような鋭い結末を、長塚さんがどのように描くかが注目される。音楽は、宇野の楽曲をベースに作曲・編曲家の荻野清子さんが新たにアレンジ。ネコたちを演じるのは、北村有起哉、中村まこと、市川しんぺー、粟根まこと、蟹江一平、福田転球、大堀こういち、木村靖司、辰巳智秋、田鍋謙一郎、山内圭哉、勝部演之。

 こまつ座の制作担当者によると、現代劇に新しい風を吹かせたい、と生前の井上も注目していた長塚さんに演出をお願いしたという。「稽古場では、様々な可能性を探りながら役者と演出家が混然一体となって一つのベクトルに向かっている。長塚さんは台本の行間を楽しんでいて、役者たちも新鮮な気持ちで変化に呼応している。本公演ではまったく新しい『十一ぴきのネコ』になるのでは」とも。

 「井上ひさし生誕77フェスティバル2012」は、今年11月に井上が77歳の誕生日を迎えることを祝い、生前から2012年に喜寿のフェスティバルを予定し、本人も「それは、大変面白いね」と楽しみにしていたという。趣旨を少し変えつつ、蜷川幸雄、栗山民也、鵜山仁など井上戯曲とつながりの深い演出家による8作品を、1年を通じて公演していく。

 1月16日と24日は休演。日によって公演時間は異なる。一般=7,800円、学生(高校生以上)=5,800円、小・中学生=4,800円。開演1時間前に劇場入口で当日券を発売する。1月31日まで。