戦国武将グッズを制作・ネット販売する「もののふ」(世田谷区)は11月1日、「もののふ 天守」(新宿区新宿3、TEL 03-6457-4366)をオープンした。
同店は、ネット上での戦国グッズブームをけん引してきた「もののふ」初のリアル店舗。出店場所は伊勢丹新宿店のそばで、新宿三丁目駅から徒歩2分の場所にあるビル最上階。店舗は事務所とつながっており、店舗部分の面積は3坪。店長の田中さんは「雑居ビルの5階ということもあり、隠れ家のような雰囲気が気に入った」と話す。
天守閣をイメージしたという店内は、真っ白な壁に焦げ茶色の古木の柱が建つ。天井には古木屋から仕入れた木材をかませて梁(はり)を渡し、すだれで事務所と仕切っている。「広くはないが、シンプルで開放感を感じてもらえるよう、壁や床の色、使用する板の模様、照明の配置など、隅々までこだわった」(田中さん)という。内装を手掛けたのは、古民家をカフェに改装した「DADA CAFE」(渋谷区)オーナー兼設計者の田村健治さん。
初日とあって、関係者から届いた多くの祝花が飾られた店内は、特注の赤いショップバックの中に入れたTシャツを柱に掛けたり、アンティークの和だんすの中に商品を収納するなど、ディスプレーにもこだわりをみせる。「どうすればごちゃごちゃせず、すっきり見えるかということを検討した結果、今の内装と家具の配置に落ち着いた。たんすの引き出しを開け閉めして、気に入った商品を探し出す楽しみも感じてもらえたらうれしい」(田中さん)。
商品は、「独眼竜伊達政宗」(5,800円)、「越後の飛龍・上杉謙信」(3,900円)など、さまざまな武将のプリントTシャツや、五十七戦無傷の三河の飛将「『本多平八郎忠勝』皮革製携帯電話ケース」(33,600円)、伊達政宗の金色の家紋をあしらった「男伊達トランクス」(2,300円)、上杉謙信・毛利・明智光秀などの「戦国武将ハンドタオル」(特別価格=800円)、信玄・真田・信長などの「戦国武将携帯クリーナー」(10種、特別価格=800円)、財布、シルバーアクセサリー、ニットキャップ、メッシュキャップなどを取りそろえる。
同店の商品はミクシィなどで知り合った、さまざまなクリエーターと組んで商品を開発しているのが特徴。ミクシィ内で、ロゴコンペを行なうなどして「もののふ」の輪と人脈を広げている。
初日は途切れることなく客が入り、活況を呈した。現在ネット上では戦国時代が密かなブームを巻き起こしており、武将もののゲームからはまった女性の戦国ファンは「戦国ギャル」と呼ばれているという。「うちのお客さんも6割は女性」と田中さん。実際に多くの女性客が店内でグッズを手に取り、高額商品を求める姿も多く見かけられた。
田中さんは「ネット販売を始めた当初は、店舗を持てるとは夢にも思っていなかった。地方から観光で来る人や外国人をターゲットに土日のみの営業からスタートしたが、今後はお客さんと直接コミュニケーションできるイベントも企画していきたい。いずれは戦国の本場である名古屋に、カフェを併設した店を出すのが夢」と意気込みをみせる。
営業時間は11時~19時。営業日は土曜・日曜のみだが、様子を見ながら平日の営業日を増やしていく予定だという。