「図鑑に載ってない虫」三木聡監督の次回作「転々」が早くも話題に

テアトル新宿で、公開中の映画「図鑑に載ってない虫」の中押しイベントに登壇した三木聡監督

テアトル新宿で、公開中の映画「図鑑に載ってない虫」の中押しイベントに登壇した三木聡監督

  • 0

  •  

 テアトル新宿(新宿区新宿3、TEL 03-3352-1846)で公開中の三木聡監督作品「図鑑に載ってない虫」が動員数1 万人を超えたことで、11月に公開を控える同監督次回作「転々」が早くも注目を集めている。

[広告]

 同館では,三木監督の初作品「イン・ザ・プール」(2005年)を皮切りに、「亀は意外と速く泳ぐ」(2005)、「ダメジン」(2006)と立て続けに上映し、三木監督作品のコアなファン層を定着させた。今回の「図鑑~」で、三木監督は菊地凛子さん、伊勢谷友介さん、ふせえりさんらとともに初日舞台挨拶を2回行ったほか、松尾スズキさん、木村祐一さんを加えた「中押し」イベントに登壇した。

同館劇場スタッフの野崎千夏さんは「コアなファン層20代後半~30代に加えて、「時効警察」や菊地凛子さんの話題性、夏休み時期などの複数の要素によって、10代~20代前半の若い新規顧客層の取り込みも顕著となっている」と話す。次回作「転々」も注目度が高く、「前売り券発売から1カ月余りにもかかわらず250枚を超える売れ行きで、お客様の作品に対する期待が高い」(野崎さん)という。テアトル新宿での「図鑑に載ってない虫」の上映は8月17日まで。

 「転々」はオダギリジョーさん扮する大学8年生の「文哉」と三浦友和さん扮する借金取りの「福原」が、男ふたりで東京を散歩するという物語(原作は藤田宜永さん)。東京エリアの再開発が相次ぐ中で「雑多なものがなくなっていくのが惜しい」というメッセージを登場人物のセリフに託した三木監督は、「映画館や劇場なども多く、文化を育てる土壌がある街。例えばシネコンや大きな劇場に相反して、ミニシアターや芝居小屋も発展していけるような可能性を秘めているのでは」と、新宿の街に期待を寄せる。

 三木監督は20代前半に上京。テアトル新宿に足を運んでは邦画鑑賞を重ねた。特にテレビ番組「笑っていいとも」の構成作家時代(90年代後半)は、「何かと新宿に入り浸っていた」(三木監督)という。新宿を歩いて8ミリカメラを回していた時期もあるという三木監督は「新宿東口や歌舞伎町で実際に見た光景は『図鑑~』でもそのままネタとして採用した」と話し、「『イン・ザ・プール』がテアトル新宿で公開となったとき、嬉しくてポスターを見に来たら、警官から職質されたことが自慢のネタ」という。

 同映画の配給会社、スタイルジャム(渋谷区)の汐巻裕子さんは「三木監督の新境地となる映画で、小ネタ満載の「時効警察」のヒットから「図鑑~」「転々」への流れが連動していて、お客様の反応は期待大。より大きな規模で拡大ロードショーを目指していきたい」と意気込みを見せる。「10月10日は『転々』ということで、都内で『東京散歩』をテーマにしたイベントを開催したい」とも。

テアトル新宿「図鑑に載ってない虫」公式サイト「転々」

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース