西武新宿駅前通りの歩道に設置されている電力会社のトランスボックス(地上機器)9基に、9人のアーティストが描いた「ゴジラ」のプリントアートが登場した。
新宿区では、歌舞伎町のトランスボックスや仮囲いをアート作品の発表の場として活用することで、まちを明るく楽しく演出する「歌舞伎町アートプロジェクト」を2014年に始動。今年は東宝の「ゴジラ」生誕60周年を記念して、4月17日開業の新宿東宝ビル(新宿区歌舞伎町1)8階にほぼ実物大のゴジラ頭部オブジェ「ゴジラヘッド」が設置されるのを機に「怪獣street」と銘打って行う形だ。
参加アーティストは、同プロジェクトのディレクションを手がける版画家の蟹江杏(あんず)さんをはじめ、くわナよしゆきさん、東學(がく)さん、高尾斉(ひとし)さん、ウタマロケンジさん、中野真紀子さん、ソメヤケンジさん、永野徹子さん、サダヒロカズノリさんの9人。張り紙防止のエンボス加工が施されたボックスの本体表面をキャンバスに、ゴジラ、モスラ、キングギドラなどおなじみの怪獣たちをさまざまなタッチで表現した作品が、ペイントフイルムで展示されている。
「昨年行った際は、絵を展示した場所の落書きが0になった」と“街角アート”の持つ効果について話す蟹江さん。「新宿クリエイターズフェスタ」に2012年から参加し、また福島県相馬市の子どもたちが東日本大震災後に描いた絵画の作品展「3月11日の、あのね。」展を全労済ホール「スペース・ゼロ」で毎年開催するなど、新宿とも縁が深い。「将来的には、歌舞伎町エリアにあるすべてのトランスボックスでアートを展開したい。マップを作って地域の方や外国人観光客に(作品を)見て回ってもらうなど、アートの力で、安全で歩きやすくきれいなまちづくりのお手伝いができたら」とも話している。