コニカミノルタプラザ(新宿区新宿3、TEL 03-3225-5001)で3月20日、「KONICA MINOLTA エコ&アートアワード2012」のグランプリ発表会が行われた。
「環境と芸術を融合させたアイデア・デザイン」をテーマに据える同コンペ。審査員は安藤貴之さん(雑誌「Pen」編集長)、廣田尚子さん(プロダクトデザイナー)、ミヤケマイさん(美術家)、伊勢谷友介さん(REBIRTH PROJECT代表)の4人。「ビジュアルアーツ部門」21作品の中から古川真直さんの「WE are the JAPAN」、「プロダクト&コミュニケーション部門」9作品の中からNOTE(青木大輔さん、樋口太郎さん)の「玉響-たまゆら-」、「next ACTION部門」9作品の中から竹澤葵さんの「RIP lamp」が入選作品の中から部門ごとにグランプリを受賞した。
「プロダクト&コミュニケーション部門」グランプリに輝いた「玉響-たまゆら-」は、今回「next ACTION部門」に応募された作品だったが、プロダクトとしての面で優れていたため、部門を移っての受賞となった。同作品を制作したデザイナーの青木さんと樋口さんは「実は一年越しの応募だった。そのときは『プロダクト&コミュニケーション部門』に応募をしようと考えていたが、昨年の震災からこういう状況になった今、3.11の部門に参加をしようと決めた」と話す。
青木さんと樋口さんは「自分たちは半分までしか制作に加担していない。誰かの手に渡って、使う人が参加をして初めて完成となる。愛着を持ってもらいたい」とも。同作品は、空気と水という身近なものを使っている。「身近なものをいかに身近において感じてもらうか。使って便利ではなく、周りの生活や環境や人に応えてくれる。家具だけど生き物として玉響が反応してくれたときに、プロジェクトとして完成する」
ペットボトル型の容器に入ったビニールを取り出してシェイクすると、じわじわと空気が大きくなる。膨らんだままの状態で座ると、水の音を感じることができ、寒い日に持ちだせば内部が結露して、暑い日には大きく膨らみ空気の大きさが変わる作品だ。使い終われば空気と水を抜いて、再び折り畳んだ容器にしまい持ち運べるという点から、緊急家具として災害時の大量の要請にも応えられる。「自分の今いる環境にそのまま応えてくれる家具として、『たまゆら』を通して、空気と水の実感を届けられるようにと思う」と締めくくる。