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新宿・紀伊國屋画廊で「少女マンガの世界」展-竹宮惠子さん監修

©竹宮惠子

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 紀伊國屋書店新宿本店4階の「紀伊國屋画廊」(新宿区新宿3、TEL 03-3354-7401)で8月20日より、「竹宮惠子監修『少女マンガの世界』原画’(ダッシュ)10年の軌跡」展が開催される。

「少女マンガの世界」展ポスター(関連画像)

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 展示する漫画家は、松本かつぢさん、上田としこさん、わたなべまさこさん、今村洋子さん、高橋真琴さん、巴里夫さん、水野英子さん、牧美也子さん、あすなろひろしさん、北島洋子さん、上原きみ子さん、佐藤史生さん、花郁悠紀子さん、竹宮惠子さんの14人。いずれも戦後から70年代にかけて活躍した作家ばかり。70余点の複製原画、「原画’(ダッシュ)」が展示される。

 京都精華大学マンガ学部の学部長として教鞭(きょうべん)をとる竹宮惠子さん。退色してしまう漫画原画を保存するため、コンピューターに原画を取り込み色調整を重ねて印刷した、原画と並べても見分けが付かないほど精巧に刷られた複製原画を「原画’(ダッシュ)」と名付け、同大学で研究・開発を行ってきた。原稿のサイズ、傷や汚れなど、現状の原画の色合いをそのまま再現し、あえて色を鮮やかにしたり、汚れを消したりするなどの調整は一切行わない。これは原画に残る傷一つにも、時代背景や作家の仕事の様子が読み取れる貴重な資料と考えているため。元データは必ず原画から作られ、原画と見比べながら、細かな色調整をすることを原則としている。

 「漫画原稿の保存と公開を両立させるために作ってきた。最初は自分の原画の再現から始めたが、破損や散逸のおそれがある偉大な先達(せんだつ)の原画を、現状のままに保存・収集することができればマンガ学部を擁する大学にとっても意味のあることと考え取り組んできた」と竹宮さん。

 同プロジェクトは今年で10周年を迎え、14人の作家、503点の作品をアーカイブしてきた。世界に一枚しかない原画を、国内外の展示依頼に応え出品する際、「もう一枚の原画」と呼べるクオリティーの複製原画を用いることで、劣化、破損、紛失の心配もなく貸し出すことが可能に。2002年より、同画廊をはじめ各所で原画’を用いた展示会を行っている。

 原画’は、カラー原稿だけでなく、2色やモノクロの作品もデータ化されている。「音楽に『絶対音感』があるように、細かな色の違いに気づける『絶対色感』というような感覚が重要になる。竹宮先生はそれが卓越していて、その感覚をプロジェクトのスタッフが学んでいるという状況」と、同展を主催する「京都国際マンガミュージアム」研究員の倉持さん。「色確認、色調整は、コンピューターの精度が向上したとしても、あまり関係のないアナログの作業。色が合わないと何度も何度もテストプリントをやり直す。作家が保有する大量の原画の中から、どれを制作するかを選ぶのも大変な作業」とも。

 初日の20日(14時~15時30分)、竹宮さんと、プロジェクトに賛同した出品作家、今村洋子さん、巴里夫さん、水野英子さん、わたなべまさこさんによるトークショーが開催される(先着順。整理券の配布なし。来場者多数の場合、入場制限あり)。

 「作家の皆さんは竹宮先生と交流のある方がほとんど。今後も毎年コンスタントに2人ほど作家さんを取りあげ制作していく予定」と倉持さん。「少女漫画の華麗な世界をお楽しみいただければ」

 開場時間は10時~18時30分。入場無料。今月29日まで。

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