東京コカ・コーラボトリング(港区)は7月6日、東京都庁第一本庁舎で東京都認証保育所協会、日本こども育成協議会との間で「災害時における応急物資の優先供給に関する協定」を締結する調印を行った。
震災後の原発事故の影響で水道水が汚染され、その結果ミネラルウオーターが買い占められるなど大きな混乱が発生した。同社では、都内で災害が発生し飲料水の調達が困難になった場合、認証保育所団体の要請に基づき優先的に応急物資として、国産天然水「い・ろ・は・す」を供給することになった。同飲料は「軟水」のため、妊婦や乳児のミルク作りにも適する。提供数量は児童1人あたり約3リットル(555ミリリットル入りペットボトル6本)。
認証保育所は2001年に東京都独自の基準設定で認証された保育所。認可保育所では応えられない大都市の保育ニーズに合わせ、定員や対象年齢、0歳児保育、基準面積や開所時間といった条件が独自に設定されている。認証保育所は現在都内に607カ所、定員2万250人。
「飲料メーカーの責務として、都民の皆さんに安心・安全をお届けすべく尽力していきたい」と中野泰三郎副社長。猪瀬直樹副知事は「震災後は、これまでの『戦後社会』に対して、新たな『災後社会』と捉えたい。行政だけでなく、企業、都民も役割を果たす新しい公共の構造が求められている。今回は公助だけでなく共助、自助の新しいモデルになる」と期待を寄せた。
調印後から3日間、締結を受けて都内約600カ所の認証保育所に同飲料を届けるデモサンプリングも行われる。災害時の連絡方法、配布方法のシミュレーションも兼ね、5000箱(1箱24本入り)が届けられる。