見る・遊ぶ

詩情豊かにロシアを写す亀山哲郎さんの写真展-新宿コニカミノルタプラザ

亀山哲郎 写真展
「ポエヂヤ ~ロシア詩情1987 - 2004~」

亀山哲郎 写真展 「ポエヂヤ ~ロシア詩情1987 - 2004~」

  • 0

  •  

 新宿のコニカミノルタプラザ(新宿区新宿3、TEL 03-3225-5001)で2月22日より、亀山哲郎さんの写真展「ポエヂヤ ~ロシア詩情1987 - 2004~」が開催される。

[広告]

 亀山さんは1948(昭和23)年生まれの京都出身。大手出版社の編集者を経て1985(昭和60)年からフリーのカメラマンとしてコマーシャル写真に従事。1987(昭和62)年に初めて旧ソビエト連邦を訪れ、以来新生ロシアに至るまで十数回訪問している。代表作は「北極圏のアウシュヴィッツ」。ロシア北西部の白海に浮かぶソロヴェツキー諸島にあったロシア正教の巡礼地の教会が、スターリンの強権政治が行われていた時期に収容所にされ、推計2~5千万人が送られたという。その世界史上初の強制収容所となった場所に2004年単身で訪問し、国外のカメラマンとしては初となる撮影を行った。

 「前回の個展は国家の負の部分を、今回は隣人であるロシア人-世界で最も詩を愛す人々-の素顔とたたずまいを正の部分として、知っていただけたらと思う」と、以前の作品とは真逆な被写体について亀山さんは紹介する。「『人はどこで生を受けようが皆同じ。初めから悪い人間などどこにもおらず、悪い国家があるだけ』というのが私の信条。善意や厚意を持った人たちが、正義という大義名分を掲げながら、なぜある日突然死刑執行人になってしまうのか?世界中で起きているこの悲劇を、人類は永遠に問い続けていくはずだ」。

 展示作品は新作を含め、カラー・モノクロプリント約55点。暗室作業にこだわり、印画紙選びにも試行錯誤を繰り返したという。「オリジナルプリントにこそ作者の意志が最も色濃く反映されている」と亀山さん。

 今後の作品制作については、「身の回りにある美しいものの発見」がテーマになるという。「何ものにもとらわれぬ自由な心を保ち、精神を解放しなければと自分に言い聞かせている。A.アダムスの言葉を借りれば、『ネガは楽譜であり、プリントは演奏』に従い、良い写真に良いプリントを心がけ、今後の作品作りに臨んでいきたい」とも。

 開館時間は10時30分~19時(最終日は15時まで)。入場無料。3月3日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース