新宿のコニカミノルタプラザ(新宿区新宿3、TEL 03-3225-5001)で10月30日、「酒井駒子、山村浩二 ふたつのとびら展~絵本原画の魅力~」が始まる。
同館は文部科学省の教育・文化週間(11月1日~7日)にあわせて、教育・文化の発展を支援する取り組みとして、絵本の原画展を開催してきた。今年で第4回となる。
酒井さんと山村さんは、絵本と子どもの本の世界で注目を集める絵本作家。これまでに「子どもも大人も一緒に感動できる魅力的な作品」を数多く発表してきた。今回は2人が作品を出版している福音館書店の協力のもと、初めて一緒に展示を行う。
酒井駒子さんは1966(昭和41)年、兵庫県生まれ。東京藝術大学美術学部卒業。テキスタイルのデザイン会社に勤務後、初の絵本「リコちゃんのおうち」を出版。以来「よるくま」ほか多くの絵本を発表してきた。「くまとやまね」で第40回講談社出版文化賞絵本賞、「金曜日の砂糖ちゃん」でブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌などの受賞歴を持つ。
山本さんは1964(昭和39)年、愛知県生まれ。東京造形大学美術学科卒業。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授。代表作「頭山」は、アヌシー国際アニメーション映画祭アヌシー・クリスタル賞を受賞し、世界5大アニメーション映画祭のうちザグレブ、広島でもグランプリを獲得。フランツ・カフカ原作の「カフカ 田舎医者」は、シュツットガルト国際アニメーション映画祭、オタワ国際アニメーション映画祭では日本人で初めてグランプリを獲得。文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞は4度の受賞、国際的な受賞は60を超える。
ギャラリーBでは酒井さん、ギャラリーCでは山村さんの原画作品が、それぞれ約60点並ぶ。酒井さんは、2006年4月から続く月刊誌「母の友」表紙の原画、絵本「こりゃまてまて」「くさはら」からの原画を展示。山村さんは絵本「おやおや、おやさい」「くだもの だもの」おかしな おかし」からの原画を展示するほか、アニメーションコーナーでは「頭山」より5秒分(1秒で12点)の原画や、短編アニメーション「頭山」「Fig(無花果)」「こどもの形而上学」をモニターで紹介する。
30日には山村さんのトークショーを行う。開催時間は14時~15時。定員は、椅子席=60人、立ち見=30人。開演1時間前より、会場で整理券を配布する。トークショー後には、サイン会も予定。会期中、アンケート記入者には酒井さんのポストカードブック(3絵柄)を進呈(毎日先着30人)。
同館の広報担当者は「子どもの繊細な表情を醸し出す酒井さんの作品、短編アニメーションの世界的作家である山村さんが描く、リアルでシュールそしてユーモアを含んだ作品の魅力を楽しんでほしい」と話す。
開催時間は10時30分~19時(最終日は15時まで)。11月12日まで。