新宿東口の大型ビジョン「アルタビジョン」(新宿区新宿3)は「世界糖尿病デー」の11月14日、阪神タイガース・岩田稔投手のメッセージを上映した。主催はNPO法人日本IDDMネットワーク。
同NPOは全国の1型糖尿病を中心としたインスリン注射が必要な患者やその家族を支援する。1型糖尿病は成人病である糖尿病とは異なり、体内でインスリンを作れなくなる病気。日本での発症率は10万人に1~2人。
「多くの人にこの病気を知ってもらいたい」という思いから、アルタビジョン新宿と大阪のトンボリステーション(大阪市)で岩田さんのメッセージを17時54分から約5分間上映した。
高校2年生の時に、1型糖尿病を発症した岩田さん。それ以来病気と闘いながらも、プロ野球選手になる夢をあきらめなかったという。重い病気だがインスリン注射などで常に補充することで普通の生活やスポーツも可能になること、夢を追うことの大切さ、この病気が間違った認識をされていることでつらい思いをしている人が少なくないことなど、ビジョンを通して新宿の人々に呼びかけた。若い人を中心に多くの人々が、ビジョン前で岩田さんの映像に注目した。
岩田さんは「同じ病気で苦しむ人たちの希望になりたい。(自分が)プロ野球で活躍することで病気と闘っている人たちを勇気づけていきたい。1型糖尿病の根治への研究支援に協力していきたい」とも。
同NPOの担当者関口香里さんは「大型ビジョンでの放映やさまざまな活動を通じて、1人でも多くの方が1型糖尿病という難病を正しく認識していただきたい。本人やその家族の大変さを少しでも理解してもらえれば」と期待する。