東京オペラシティは4月9日より、アートギャラリーとコンサートホールを連動したプロジェクト「武満徹-Visions in Time(ヴィジョンインタイム)」を開催する。
同プロジェクトは、東京オペラシティ文化財団の芸術監督を務めた故・武満徹氏の没後10年を区切りに企画されるもの。武満氏(1930-96年)は、「弦楽のためのレクイエム」(1957年)や「アステリズム」(1968)などの現代音楽作曲家として知られるほか、黒澤明監督作品「乱」(1985年)などの映画音楽を多数手掛けている。同氏が監修を務め、没後完成した東京オペラシティコンサートホールは「タケミツ・メモリアル」と名づけられた。
メーンプログラムのアートギャラリーでの展示では、武満氏を一作曲家としてだけでなく、映画・美術・文学・思想などさまざまな領域を自在に往還した芸術家として捉え、自作の絵画やエッセイを残しているバウル・クレーやオディロン・ルドンなどの作品、交友のあった国内外の芸術家の作品など、多様な展示品によって多層的・多面的に紹介しているのが特徴。
また、展示室内に特設スペースを設け、武満氏が音楽を担当した映画作品「切腹」(1962年)、「乱」(1985年)、「黒い雨」(1989年)など21プログラムを上映するほか、ギャラリーコンサートも行う。コンサートホールでは、5月28日「オーケストラ・コンサート『武満徹の宇宙』」、6月18日「武満徹トリビュート・コンサート『SOUL TAKEMITSU』」の2つの主催公演と、参加公演「バッハ・コレギウム・ジャパンの『マタイ受難曲』」も開催。入場料は、一般=1000円、大学・高校生=800円ほか。月曜定休。6月18日まで。