新宿モノリス(新宿区西新宿2)18階のネオキャリアエントランスホールで開かれた、障がい者や高齢者などが手がけるアート作品を展示した「アール・ブリュット展」の授賞式が5月29日に行われた。
大賞を受賞した太田哲郎さんの「ビールのお供(枝豆)」(ネオキャリア提供)
同展は新宿区内を中心にボランティア、社会貢献活動に取り組む企業で構成する新宿CSRネットワークと、新宿区社会法人連絡会が初めて手がけたもので、3月22日から3日間開いた。
同ネットワークに所属するネオキャリア(新宿区西新宿1)社長室サステナブル推進担当の高山功平さんは「職場の環境改善を目指す社内プロジェクトに参加したことが同展を開くきっかけになった。職場を明るくするために絵を飾りたいという声から、普段から縁のある福祉施設に相談し実現できた」と話す。
展示会には絵画や書道など約60点が並び、同社の従業員の投票で各賞を決めた。大賞を受賞したのは「ビールのお供(枝豆)」を描いた太田哲郎さん。太田さんは「枝豆をテーマにお供といえばビールだったのでそれを描いた。以前は居酒屋にも行けず家で、1人でビールを飲む人がいたのでその思いを込めた」と話す。「花車に寄せて」で優秀賞を受賞したラバンス地域活動支援センターは、月2回絵画教室を開く。同センターは「なるべく多くのメンバーに展示会へ参加してもらいたいと思った。みんなの努力と協力の結果完成した」と話す。ほかにあゆみの家 はやぶさグループの「花紙FUWAFUWA」、高橋奨さんの「Fighting Cock~軍鶏~」が優秀賞を受賞。
佳作は松原秀徳さんの「ねこ」、Opioidさんの「みんな宇宙人」、佐々木淑行さんの「街」、湯町喜美子さんの「犬」、松本吉浩さんの「吾亦紅(われもこう)、鶏頭、りんどう」が受賞。ネオキャリア特別賞は三浦稔さんの「とら・りゅう」が受賞した。現在、同社のオフィスに受賞作品を飾っている。
高山さんは「当社はこれまでも地域密着型のサステナブル活動を推進してきた。展示会を通して障がい者や高齢者などのアーティストとしての職域を拡大し、労働ではなく活躍の場を広げていきたい」と期待を込める。