新宿観光振興協会(新宿区西新宿6)が、新宿を象徴するような新たなマークとしてデザインされた「新宿小寄紋(こよりもん)」をあしらった「新宿オリジナルマスクケース」を制作した。10月末から関連する商店会へ無料配布し、飲食店などの利用者に向けた活用を目指す。
新宿の持つ魅力を広く発信していくことなどを目的に2019年に作られた「新宿小寄紋」は、美術家で、2020年東京オリンピック・パラリンピックエンブレムなどの作品も手掛ける野老(ところ)朝雄さんがデザインした。「繋(つな)げる事」をテーマに、単純な幾何学原理に基づいて定規やコンパスで再現可能な紋と紋様の制作などを行っている野老さんは「紙を細く裂いたものを撚り合わせてひもにする『紙縒(こより)』のように寄り合い、力をつなげる紋を目指した」と話す。
同協会の担当者は「紋を活用し新宿の魅力を発信していきたいと考え、第1弾として、新型コロナウイルスの影響を受ける新宿の街を応援するとともに、来街者に観光情報を伝えることを目的にマスクケースの制作を考えた」と振り返る。「新宿小寄紋」を使ったもののほかに、新宿の街全体をモチーフにした同協会独自のデザインの2種類があり、ケースの表面と内側は抗菌仕様。無くなり次第、配布は終了の予定。
担当者は「人と人との結び付きをテーマにした紋を展開することで、日本人だけでなく、訪日外国人にも新宿の持つ『多様性』を表現し、伝えることができるのでは。今後、同デザインを活用した新宿オリジナルグッズによるキャンペーンなどを行い、多くの方々に訪れていただくような新宿の街の魅力を伝えていきたい」と意気込みを見せる。