新宿高島屋(渋谷区千駄ヶ谷5)1階JR口にある特設会場で7月27日から、国内外の人形劇団、伝統芸能やクラウン、現代パフォーマンスアート集団が出演する芸術祭「A-hoj!(アホイ)新宿」が開催される。主催はプーク人形劇場(渋谷区)。
新宿駅南口近くに同劇場をかまえる「人形劇団プーク」は、1929(昭和4)年の創立以来、子どものための舞台芸術を作り続ける。今回初めて行われる同イベントには、旧スロヴァキア内で最も歴史あるチェコのプロ人形劇団「アルファ劇場」がテント小屋ごと来日し、「三銃士」を日本初公開する。
人形劇団プークの担当者は「来年創立90周年を迎える当劇団は、現代人形劇団としては日本で一番歴史があり、世界の人形劇人と深いつながりを築いてきた。同作品は、2年前にチェコのフェスティバルで当劇場の支配人が観劇し、あまりの素晴らしさにいつか日本に招聘(しょうへい)したいと決意した」と話す。
「チェコの人形劇はユネスコの無形文化遺産にも登録されている。これまでの歴史の中でも特に素晴らしい同作品を一人でも多くの方に届けたいという思いで、当フェスティバル含め全国13の劇場と連携し、ツアー公演という実現にこぎ着けた。同作品は日本はおろかアジア初公開となる」とも。
イタリアからは「プルチネラ人形劇」が来日するほか、即興パントマイム、コンサートなども。担当者は「体験プログラムのあるコメディー・サーカスの『ラストラーダカンパニー』や『日本伝統芸能を守る会』の太神楽(だいかぐら)、『民族歌舞団 荒馬座』の和太鼓など、夏休みに家族で楽しんでいただけるのでは」と話す。
「地域に開かれた場づくりや地域活動の活性化に寄与する役割もあると感じている。その一環として、劇場に来ていただくだけでなく、劇場が町の中に飛び出し、普段、演劇芸術に興味を持たない方や、興味があってもなかなか足を運べないという方にも、体験していただける場をつくれたら」とも。
誰もがアクセス可能な「会場のバリアフリー」、通訳の配備や、言葉に頼らないプログラムによる「言語のバリアフリー」、誰でも楽しめる「対象年齢のバリアフリー」、参加無料で「経済のバリアフリー」、チェコの作品を国内10都市で公演することで「地域格差の解消」と、5つのバリアフリーを掲げ誰でも参加できる芸術祭を目指す。
「『アホイ』はチェコの言葉で出会いのあいさつ。さまざまなジャンルの表現に出合える楽しいフェスティバルになれば。からくり満載のテント小屋で繰り広げられる、チェコの軽快で豪快な人形たちの演技など、世代を超えて楽しんでもらえたら」と来場を呼び掛ける。
開催時間は演目により異なる。入場無料。今月29日まで。