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原発20キロ圏内に残された動物たちの記録-新宿西口で写真展

太田康介写真展「のこされた動物たち」福島第一原発20キロ圏内の記録

太田康介写真展「のこされた動物たち」福島第一原発20キロ圏内の記録

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 新宿西口の貸しギャラリー「クリスタルスポット」(新宿区西新宿1、TEL 03-3342-3511)で10月8日~10日の3日間、原則立ち入り禁止の警戒区域となっている福島第一原発20キロ圏内に放置された動物たちを記録した太田康介さんの写真展「のこされた動物たち~福島第一原発20キロ圏内の記録~」が開催される。

牛舎の中でやせ細った牛(関連画像)

 太田さんは1958(昭和33)年滋賀県生まれ。編集プロダクションカメラマンを経て1991年にフリーとなる。1980年代より、戦場カメラマンとしてアフガニスタン、カンボジア、旧ユーゴスラビア連邦などの紛争地帯で活動。そのほか、北朝鮮、中国・中南海地区、台湾原発などの潜入取材も経験。2004年に猫を飼い始めたことから動物に着目。現在は海外のドッグショーなど、動物が被写体の撮影をメーンとする。

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 20キロ圏内の住民は、3月11日の震災による福島第一原発の爆発に伴い、行政により強制的に避難をさせられる。その際、ペットは置いていくよう指示があったという。残されたのは生きたままの家畜やペットたち。畜舎に閉じ込められていた家畜やつながれていた犬、室内の小動物の多くが餓死した。その後も飼い主や動物保護団体への立ち入り許可が出ることはなく、保健所による救助もほとんど進んでいない。警戒区域全域の家畜全頭と、3キロ圏内にいる犬猫などのペットは「持ち出し」自体が禁じられており、現在も惨状が続く。

 「私は、ごめんよ、ごめんよ、と謝りながら写真を撮った。私にできることは写真を撮り、今起きている現実を多くの人に知ってもらうこと。それしかできないから。やがて怒りが沸いてきて、チクショー、チクショーとうめきながらシャッターを切った。その怒りは、私を含めた人間に対してのもの」と太田さん。助けを待ち続ける動物たちを3カ月にわたって記録。残された動物たちの現状を、ありのままに伝えるこの記録は、今年7月に発売された写真集「のこされた動物たち」(飛鳥新社)で発表された。同展では写真集に収められた写真から30点を展示する。

 「国は警察を使い、餌をやりに警戒区域に入ってきたボランティアさんを拘束して取り調べを行っている。『動物たちに餌をやる』というシンプルな行為に、大の大人が何人もかかり切りで」と太田さん。「東北の寒い冬を、食べ物なくして彼らが生きることは不可能。必死で生き残っている福島の最後の子たちを、どうか救ってほしい」

 開場時間は、8日=13時~20時、9日=10時~20時、10日=10時~18時。入場無料。