新宿東口の新宿武蔵野館(新宿区新宿3、TEL 03-3354-5670)で3月2日より、特集上映「トロマの逆襲2013!」が開催される。
「アメリカン・インディーズ映画界の巨人」とも称されるロイド・カウフマンさんが設立したインディペンデント系映画会社「トロマ・エンタテインメント」により公開された、カウフマンさん自身による監督作品「悪魔の毒々モンスター<ノーカット無修正版>」と「チキン・オブ・ザ・デッド/悪魔の毒々バリューセット」の2作品を上映。映像ソフトの企画や制作、配給などを行うエデン(世田谷区)の江戸木純さんが企画した。
江戸木さんは1987(昭和62)年に「悪魔の毒々モンスター」が日本で初上映された際、宣伝などで公開に関わったほか、カウフマン監督の「カブキマン」では企画やキャラクター・デザインも手掛けたという。2011年に刊行されたムック本「映画秘宝EX 映画の必修科目01 仰天カルト・ムービー」では「悪魔の毒々モンスター」の原稿を担当。「その際にあらためて見たが、初公開から29年経過した今でも全く色あせず、『いじめ』や『環境問題』、『悪徳政治家』などが出てくる内容は、むしろ現代を描いているように思えた。再評価できる機会を設けたく思い、今回の特集上映を企画した」と江戸木さん。
「悪魔の毒々モンスター<ノーカット無修正版>」は、「カルトムービーの金字塔」ともいわれるカウフマン監督の代表作。いじめられっ子が有毒廃棄物のドラム缶に飛び込み醜い姿のモンスターに変身、不良や強盗、悪徳市長などを凄惨(せいさん)な方法で退治するという「映画史上最も醜いヒーロー映画」。バイオレンスシーンが過激なため、日本公開の際にはモノクロ処理が施されていたが、今回は無修正での上映となる。「アメリカ公開時のようなカットもされていない、全くのオリジナル版での劇場上映は世界初なのでは」
「チキン・オブ・ザ・デッド~」は2008年の作品で、今回が日本初上映となる。チェーン店の「呪(のろ)われたフライドチキン」を食べた人々がゾンビ化して暴れだす中、風変わりな従業員たちが歌って踊りながらサバイバルするという内容の「ゾンビ・ミュージカル作品」。「下ネタも満載だが、監督の巨大フランチャイズ店によるグローバリズムへの強烈な風刺も込められている」
江戸木さんは「カウフマン監督はイェール大学卒の超エリートだが、あえてばかな作風で社会問題を描いている。エログロバイオレンスな要素満載な2作品だが、劇場で再発見していただけたら」と来場を呼び掛ける。
上映は、「悪魔の毒々モンスター~」が3月2日~、「チキン・オブ・ザ・デッド~」が同23日~。現在、前売り券(1,300円)および、新宿武蔵野館窓口限定のTシャツ付特別鑑賞券(数量限定、3,500円)を販売している。