新宿東口の写真ギャラリー「コニカミノルタプラザ」(新宿区新宿3、TEL 03-3225-5001)で9月8日、世界的な動物写真家の日本での初の個展「スティーブ・ブルーム写真展『SPIRIT OF THE WILD』」が始まった。
ブルームさんは1953年南アフリカ生まれ。1977年にイギリスに移住。画像処理を行う特殊効果技術のスタジオを経営し、広告業界で活躍。1992年のバルセロナ・オリンピック公式ポスターを手掛けるなど、その技術は世界各地で認められる。90年代初頭に休暇で再び南アフリカを訪ねたことをきっかけに、事業を売却し40歳で動物写真家としてのキャリアをスタートさせる。
「野生動物を撮影する素晴らしさに魅了されると共に、自然の一部であるにもかかわらず、私たちの多くは自然とは遠く隔たった環境下で生きていることに思い至った」とブルームさん。
世界各地の動物たちとの出会いを求めた長い旅のプロジェクトに着手し、世界全大陸の動物をレンズに収めてきた。「心を動かす野生動物写真」として高い評価を得て、これまで世界各国で70版を超える著作が出版され、多くの著名雑誌で作品が発表された。近年、スペイン、オランダ、ロシアなどヨーロッパ各国の都市の野外公共スペースで、大規模な写真展を巡回。デンマークでは140万人の来場者を記録し話題となった。同展では、多くの来場者を魅了した動物写真のシリーズから、展示空間に合わせて新たに企画構成した大型のカラープリント35点を展示する。
「躍動感あふれる画面に生命の輝きを捉えた力強い作品群は、私たちを取り巻く自然環境を見つめ直すための示唆に富んでいる。彼ほど、その動物の感情までもワイルドに写し出した写真家はいないのでは」と同ギャラリー広報担当者。
「私たちは写真によって、詩や歌と同じように感動の瞬間を分かち合うことができる。この分かち合うことこそが、写真が持っている真価。私の作品を楽しんでもらい、生けとし生けるもの全てから放たれる魔法のような輝きを感じとってもらえれば」とブルームさんはメッセージを寄せる。
開館時間は10時30分~19時(最終日は15時まで)。入場無料。10月3日まで。