![40年を経ても異彩を放ち続ける「軍艦マンション」。](https://images.keizai.biz/shinjuku_keizai/headline/1298265907_photo.jpg)
都営大江戸線・東新宿駅近くにある「軍艦マンション」こと第3スカイビル(新宿区大久保1)で2月22日より、多くのクリエーターの作品を展示する「再出航」イベント「GUNKAN crossing」が行われる。
シルバーに塗った鉄板が張られた壁面、屋上に横置きされた給水塔、ユニット化された各室など軍艦をモチーフとした独特のデザインで「軍艦マンション」と呼ばれる同ビルは、建築家・渡邉洋治の代表作だ。1923(大正12)年生まれ、新潟出身の渡邉さんは陸軍船舶兵として従軍経験を持つ。戦後、建築士となり個人事務所を開き、早稲田大学で講師も務めた。1970(昭和45)年に竣工し地上14階・地下1階の事務所と共同住宅で構成された同ビルはとりわけ異彩を放ち、建築家や建造物マニアには垂ぜんの的となっていた。
老朽化で解体の計画もあったが、ビルのオーナーが変わったのを機に、リノベーションして40年前の輝きを取り戻すことになった。マンションの上階はシェアハウスとして設計し直し、ネット環境も整備。シアタールームなどの共同フロアも充実させ、個室が並ぶシェアSOHOに、オフィスフロアは独特の変則的な空間を生かせる長屋のような構造を残す。アトリエ、ギャラリーとしてのスペースも用意し、クリエーティブなマンションとして再生した。現在入居者を募集中だ。
4月中旬の入居開始に先立ち、内覧会を兼ねたイベントを行う。3人組のグラフィックデザイナーONO、プロダクトデザイナーによるユニットグループのnovelax、家具・アクセサリーなど幅広く手がけるデザイナー・海山俊亮さんのMicroWorks、ハイセンスな生活用品のデザインを手がける2人組のmuteのほか、映像、照明、音楽などのさまざまなジャンルのアーティスト35組による展示会となる。
「以前行ったアートイベントに参加してもらった人や、その横のつながりで集まったクリエーターたち」と話すのは、同イベントも運営するデザインワークスプロジェクト(渋谷区)の荒井昌岳さん。「このマンションが開放されるのは新築の時と40年たった今だけ。この空っぽになった瞬間にこんなイベントが行えるのも、それを楽しむことも二度とないチャンス。展示会はもちろん、軍艦マンション内部の空間もぜひご覧いただければ」とも。
開催時間は11時~18時。入場無料。今月27日まで。