プレスリリース

転出後の「地域とのつながり」がUIターンを後押し──和歌山市×シナジーマーケティング、関係人口追跡調査2026

リリース発行企業:シナジーマーケティング株式会社

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シナジーマーケティング株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長 兼 執行役員 CEO:奥平 博史、以下:当社)は、和歌山市と共同で、地域にゆかりのある人と地域とのつながりを継続する関係人口創出プラットフォーム「FAVTOWN Wakayama」の会員を対象に、「関係人口追跡調査2026」を実施しました(有効回答397名)。

その結果、和歌山市へUIターンした会員61名のうち67.2%(41名)が、FAVTOWNの利用がUIターンの後押しになったと回答しました。また、FAVTOWN登録後に和歌山市または和歌山県内へ移住した56名では、登録から引越しまで平均21.6か月(中央値23か月)を要しており、企画への参加経験がある会員は非参加会員より移住率が高いなど、転出後も地域との接点を継続することと移住行動との関連がみられました。

一方、県外在住会員が和歌山へ戻るために必要な条件では、「魅力的な就職先」が67.5%で最多となり、「給与・待遇が都市部並み」が47.2%で続きました。今回の調査から、UIターンには地域との関係を途絶えさせない中長期的な接点づくりと、雇用環境の両面が重要であることがうかがえます。

背景

和歌山市では、進学や就職を機に若年層が県外へ転出する一方、将来的なUIターンにつながる継続的な関係づくりが課題となっていました。当社は、転出そのものではなく、転出後に地域との接点が途切れてしまうことに着目し、「転出後もつながり続ける」ことを目的とした関係人口創出モデル「FAVTOWN」を構想しました。2022年10月17日には和歌山市と「和歌山市関係人口創出モデル実証事業」に関する連携協定を締結し、2023年2月にFAVTOWN Wakayamaのサービス提供を開始。以来、「ふるさと便」の送付や市内開催イベントの情報提供などを通じて、和歌山市をふるさとと登録する8,000名以上の会員に「地元愛」が伝わるコミュニケーション施策を展開しています。
一方、行政においては「地方創生2.0」構想のもと「ふるさと住民登録制度」の制度化が進められており、自治体には関係人口施策の効果を裏付けるデータが求められる状況になっています。今回のアンケートは、こうした状況を踏まえ、実証事業の起点である和歌山市において、FAVTOWNの利用と実際のUIターン行動の関係を検証したものです。

調査結果の6つのポイント

1)実際のUIターン者61名のうち67.2%が後押しを実感(図1)
和歌山市へのUIターン者61名のうち67.2%(41名)が、FAVTOWNの利用を「地元に戻る」後押しとして回答しました。内訳は「歓迎されている安心感で前向きになれた」45.9%(28名)、「なんとなく前向きになれた」19.7%(12名)、「就職活動の一歩になった」11.5%(7名)、「不安や悩みが減った」8.2%(5名)です(複数回答)。就職活動の一歩になったと回答した7名は、いずれもFAVTOWN掲載企業への応募など具体的な行動に結びついていました。なお、本調査の対象はFAVTOWN会員であり、もともと地域とのつながりに前向きな層が中心である点に留意が必要です。




2)引越しの決め手(図2)
引越し先の決め手として最も多かったのは「地縁・ゆかり」で55.7%(34名)、次いで「この地域が好き」42.6%(26名)でした。このうち、FAVTOWNの後押しを感じた人の割合は、「地縁・ゆかり」を決め手にした会員で76.5%、「この地域が好き」を決め手にした会員で73.1%でした。和歌山市へのUIターンでは、地縁・ゆかりや地域への愛着を決め手とする回答が多く見られました。



3)県外在住者の和歌山県へのUIターン意向(図3)
和歌山県外に住むFAVTOWN会員197名のうち、「帰りたい」と回答した人は61.4%(121名)、「条件次第」を含めると90.4%が和歌山へのUIターンに前向きな意向を示しました。学生(118名)では帰りたい率が66.1%と高く、卒業後の進路として和歌山が具体的な選択肢になっていることがうかがえます。一方、社会人4年目以上(12名)では25.0%にとどまりました。この結果は、転出者全体を代表するものではなく、和歌山との関係を保っているFAVTOWN会員という層に特有の傾向ですが、Uターン意向が高い学生のうちから地域とのつながりを維持し続ける施策の重要性がうかがえます。




4)UIターンに至るまでの期間(図4)
FAVTOWN登録からの経過期間別に移住率を見ると、登録1〜3年の会員(165名)が25.5%で最も高く、登録1年以内は17.3%(168名)、登録3年以上は4.7%(64名)でした。FAVTOWN登録後に和歌山市または和歌山県内へ移住した56名では、登録から引越しまで平均21.6か月(中央値23か月)でした。




5) 企画に参加した会員ほど移住率が高い(図5)
FAVTOWNの企画(ふるさと便・イベント・プレゼント等)に1回以上参加した会員の移住率は20.6%(56/272名)で、一度も参加していない会員の14.4%(18/125名)を6.2ポイント上回りました。企画の種別では、イベント参加者が24.6%(31/126名)、ふるさと便参加者が22.7%(37/163名)、プレゼント参加者が19.6%(38/194名)と、いずれも企画非参加会員の14.4%を上回り、企画への参加経験と移住行動との間に関連がみられました。




6) 和歌山へのUIターン実現に必要な条件(図6)
和歌山県外に住む会員197名に、和歌山へ戻るために必要な条件を尋ねたところ、最も多かったのは「魅力的な就職先」67.5%(133名)で、次いで「給与・待遇が都市部並み」47.2%(93名)となりました。回答者の中心である学生でも、「魅力的な就職先」「給与・待遇が都市部並み」が上位となっており、仕事に関する条件が多く挙げられました。また年代別に見ると、10代では「友人・コミュニティ」を挙げた人が42.9%と、全体の31.0%を上回りました。




全体考察

今回の調査では、転出後も地域との接点を維持することが、UIターンへの心理的な後押しにつながる可能性が示されました。特に「地縁・ゆかり」や「この地域が好き」といった地域への愛着を決め手とした人ほど後押しを実感する割合が高く、また企画に参加した会員ほど移住率が高いことからも、関係人口施策は単に地域と関わる機会を増やすだけでなく、地域との関係を継続的に育むことが重要であることがうかがえます。登録から実際のUIターンまで平均21.6か月を要していることからも、関係人口施策は短期的な成果ではなく、中長期的な視点で評価・運用する必要があることが示唆されました。

一方で、県外在住会員の約9割が和歌山県へのUIターンに前向きな意向を示した一方、実際に戻るために必要な条件として「魅力的な就職先」や「給与・待遇」が挙げられました。これは、地域への愛着や心理的な後押しだけではUIターンは実現せず、雇用や生活環境といった構造的な課題への対応も不可欠であることを示しています。特に10代では「友人・コミュニティ」を重視する傾向も見られ、年代に応じた関係づくりや情報提供の重要性もうかがえます。

FAVTOWNは、こうした継続的な関係づくりを支援する関係人口創出プラットフォームとして、ふるさと便や地域情報の配信、キャリア支援などを通じて、地域とのつながりを維持・深化する取り組みを進めています。今後も自治体や地元企業との連携を強化し、関係人口の形成だけでなく、UIターンという具体的な行動につながる仕組みづくりを支援するとともに、データに基づく関係人口施策の高度化に貢献していきます。

UIターン者の声

和歌山にUIターンした会員からは、大阪へのアクセスの良さを評価する声もあり、自然の豊かさや地元への愛着・落ち着き、ちょうどよい田舎の住みやすさを挙げる声が多く寄せられました。
「新卒で大阪に就職しましたが…だいすきな和歌山が恋しい…すぐに和歌山に戻ってきてしまいました」/「地元の病院で働きたいという思いで地元に帰ってきました。慣れ親しんだ地域で働けて凄く嬉しい」/「これからもFAVTOWNの活動楽しみにしています」/「和歌山にもっと恩返しがしたいです」

アドバイザーのコメント

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)講師 伊藤 将人 氏
今回の調査から見えてきたのは、「関係」と表現される中身を詳しく把握すること、関係の維持とは具体的にどのような状況を指し、結果的にどのような行動や心情へと結びついているのかを確認することの重要性です。裏を返せば、関係人口の過度な人数目標主義には抑制的でなければならないという知見も得られるものであるように感じます。

そしてもう一つ見えてきたのが、中長期的な視野での政策実施の必要性です。産業誘致型の地域政策が限界を迎え、直接的に人の移動にアプローチするようになった地方創生時代の地域政策は、総合戦略やKPIと紐づいたガバナンス制度により、どうしても短期主義となりやすい傾向を有します。しかし、関係人口政策も、そして移住政策も人の人生、ライフステージの変化と密接に関わるものである以上、中長期的な視点で望むことが重要です。今回の結果は、こうした中長期的な視点で施策を実施、評価、改善していく必要性を示していると言えるでしょう。

和歌山市シティプロモーション課のコメント

令和4年度に実証事業としてスタートしたFAVTOWNを通じた継続的な関係づくりが、Uターンの実現に有効であるという結果が示されたことを嬉しく思います。本調査の結果を踏まえ、今後も進学などを機に和歌山を離れた方との中長期的な繋がりを維持する関係人口施策や雇用環境の整備などに取り組むことで、より多くの方に和歌山市と関わりを持っていただき、Uターン移住の促進にも繋げるなど、当事業が本市にとってより意義あるものとなるよう、さらに推進してまいります。

FAVTOWNとは

FAVTOWNは、進学や就職で地元を離れた若者を中心に、地域にゆかりのある人が地元とのつながりを継続・深化できる会員制の関係人口創出プラットフォームです。当社は、CRM(顧客関係管理)の知見を地域政策に応用し、転出後に地域との関係が途絶えるという課題の解決に取り組んでいます。地域に関わる人々を「資産」として数値・データで捉え、自治体・地元企業・大学・団体と連携した継続的な接点を設計している点が特徴です。主な機能は、地域の特産品や応援メッセージを届ける「ふるさと便」、地元ニュースの配信、デジタル会員証の発行、会員データに基づく関係人口施策の運営です。2023年2月に和歌山市で開始し、2026年7月時点で累計7都道府県24自治体、会員15,000人以上に拡大しています。

今後の展望

当社は、今回の調査で得られた会員データと移住行動の関連性を踏まえ、自治体の関係人口・UIターン施策の検討に向けたデータ提供を進めてまいります。会員数の拡大にとどまらず、登録から移住までの期間に応じた継続的な情報提供の設計に取り組んでまいります。

【調査概要】
調査名:2026年和歌山市UIターンアンケート
調査主体:シナジーマーケティング株式会社
調査対象:FAVTOWN Wakayama会員のうち、和歌山市にゆかりのある会員
調査方法:WEBアンケート調査
調査期間:2026年4月30日(木)〜2026年5月24日(日)
有効回答数:397名(回収率:5.5%)

※本調査はFAVTOWN会員を対象としたもので、和歌山市へUIターンした方全体の割合を示すものではありません。数値はFAVTOWN会員(もともと地域とのつながりに前向きな層)内の傾向です。
【会社概要】
人と企業が、惹かれ合う世の中へ。
当社は、生活者と企業のより良い関係づくりのために、一歩先のデジタルマーケティング体験を提案するパートナーです。クラウドシステムの提供・コンサルティング・運用支援・人材育成サービスなどを通して、企業の継続的な成長を支援します。また、デジタルマーケティングを「広義の課題解決」と捉え、顧客理解や戦略設計といった上流領域から、社内体制の構築や人材育成に至るまで、組織が抱える本質的な課題に包括的にアプローチ。20年以上にわたりCRM市場をリードしてきた知見を活かし、お客様の現状に寄り添いながら最適な次の一手を提案し、「成果につながるマーケティング」の実現を後押しします。


名称:シナジーマーケティング株式会社
代表:代表取締役社長 兼 執行役員CEO 奥平 博史
創業:2000年9月
大阪本社:〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島1-6-20 堂島アバンザ21F
東京本社:〒102-0083 東京都千代田区麹町6-6-2 番町麹町ビルディング5F WeWork 麹町
事業内容:デジタルマーケティング領域における、クラウドシステム・コンサルティング・運用支援・人材育成サービスの提供、およびファンメディアの運営
企業ホームページ:https://corp.synergy-marketing.co.jp/


FAVTOWN事務局
E-mail:favtown-support@synergy101.jp