築地魚河岸浜焼きBBQテラス(東京・築地)では、11月29日の「いい肉の日」に合わせ、築地場外市場の老舗・近江屋牛肉店(本社:東京都中央区築地)代表 寺出昌弘による“近江牛の実食付き 贅沢肉セミナー”を開催します。

さらに11月29日・30日の2日間限定で、BBQテラスのBBQ利用者を対象に国産肉が外れなく当たる「いい肉の日キャンペーン」も同時開催。詳細は公式サイトをご確認ください。
・イベント情報:https://tsukiji-bbqterrace.com/2025/11/13/iinikunohi_in_tsukiji/

今回のセミナーで講師を務める寺出は、築地の老舗・近江屋牛肉店の三代目店主。
長年にわたり
“本当においしい肉”を追求してきたその原点には、日本の牛肉文化の歴史と、近江牛にまつわる深い物語があります。
近江牛には400年の歴史があります。
日本では長く「四つ足の動物」を食すことが禁じられていた時代がありました。
米を年貢で納めていた時代、人よりも働いてくれるのは「四つ足」の牛だったからです。
そのため殺してはいけないし、仏教の考え方も相まって、食べることなどもってのほかでした。

しかし、牛も年をとると痩せて働けなくなります。
その年老いた牛を、餌用の苗と交換して「馬喰」が引き取り、江戸に持ってきていたのです。
生きた牛を近江(滋賀)から江戸まで山をいくつも越えて、3週間かけて歩かせて運んでいた時期もあり、道中は、清水次郎長に守ってもらったという文献も残されています。
なぜ江戸まで運んだかというと、鎧や馬の鞍、太鼓などに牛革が大量に必要だったからです。
屠殺を許されていたのは彦根藩、大老・井伊直弼の井伊家のみだったといいます。
牛革だけ取って肉を捨てるのはあまりにもったいない──。
そこで、肉を味噌で漬け込んだり干し肉として加工したりすることで日持ちさせ、
「反本丸(へんぽんがん)」という名前をつけて薬屋で売り始めました。
こうして江戸では牛肉文化が徐々に浸透し、最終的に明治時代に400軒ものすき焼き屋が誕生するまでに広がりました。
近江牛の歴史を紐解くと、「おねきゅう」や「米屋の久二」と呼ばれた竹中久二という方と、西居庄蔵という方の2人の先駆者が登場します。
彼らの墓がある滋賀県旧蒲生郡(現在の近江八幡市・東近江市辺り)の「西光寺」には、寺出家本家の墓もあります。
初代は、近江牛発祥の地ともいえるこの場所で生まれ育ち、近江で修行したのちに上京。
浅草や荒川で商売を成功させ、
食の中心地・築地へと進出しました。

お恥ずかしい話ですが、築地で生まれ育った三代目の私は、二代目が亡くなるまで近江屋のルーツが本当に滋賀県にあることを知りませんでした。
二代目の頃の高度経済成長期には、近江牛以外の黒毛和牛も扱っていましたが、初代の出生地を訪ね、近江牛と寺出家の歴史を深く学んだことで、私の代で「原点回帰」。
滋賀県の由緒ある近江牛畜産農家さんから一頭買付するスタイルに戻し、現在に至っております。
こうした歴史を踏まえ、私たちは近江牛発祥の地・滋賀県の精神を胸に「本物」の価値を発信しています。
世界の人々が思わず笑顔になる──そんな一口を提供することが、これからの築地の使命だと感じています。

これまでの歴史や精神を受け継ぎながら、近江屋牛肉店では、築地場外市場で「本物のおいしさ」をより多くの方に体験していただく新たな挑戦を進めています。
その一つとして、築地場外市場内に体験型スタンド
「WAGYU STAND『YAKISHABU』」をオープンしました。
“焼き上がる瞬間をそのまま味わえる”ライブ感を、より気軽に楽しめるスポットです。
職人が一枚ずつ焼き上げる臨場感や、立ち上る香り・音まで五感で楽しめる構成が特徴です。
近江屋牛肉店がこれまで築地で培ってきた「目利き」と「素材に合った調理の姿勢」を活かし、
シンプルに“肉のおいしさがまっすぐ伝わる体験”を目指しています。
セミナーと合わせて築地散策を楽しむ際は、WAGYU STAND『YAKISHABU』 にもぜひお立ち寄りください。


- 所在地:近江屋牛肉店ロースト肉工房内
- 住所:東京都中央区築地4丁目14-1 モンテベルデ築地106
- 営業時間:9:00~14:00(定休日:水曜日、日曜・祝日)
- アクセス:東京メトロ日比谷線「築地駅」徒歩5分
- Google MAP:
https://maps.app.goo.gl/Sqx3J2BMVFnbwWne6- 対応言語:日本語、英語
Instagram(@tsukiji.oumiya)では最新情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
築地場外市場「近江屋牛肉店」三代目店主。築地場外市場商店街振興組合理事長。
近江牛のルーツをたどり、伝統の味と築地文化の継承を目指す。
公式Instagram:@tsukiji.oumiya(
https://www.instagram.com/tsukiji.oumiya/)
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