東京オペラシティ(新宿区西新宿3、TEL 03-5353-0700)は11月3日より、北欧デザインの魅力とルーツをさぐる「北欧モダン デザイン&クラフト」展を開催する。
同展は、「北欧モダン」スタイルが形成された1950~60年代の黄金期の北欧デザインを、アートギャラリーの全展示室を使って包括的に紹介するもので、「伝統・機能・表現」の3要素に分けた作品展示のほか、講演会やトークイベントも予定している。
北欧デザインとは、スカンディナビア半島に並ぶノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークで育まれた共通のデザインアプローチで、厳しい気候や広大な自然や人口密度の低さなどの理由から、人々が家に集うための「居心地のよいインテリア」が必然的に発展した。
また、北欧デザインは長い冬を明るく過ごすために「鮮やかな色」と「美しい光」で彩られるという特質があり、デンマークのハンス・J・ウェグナーさん、スウェーデンのステイ・リンドベリさん、フィンランドのタピオ・ウィルッカラさんなどの個性的なデザイナーやグッド・デザインを奨励する企業が一丸となって、「北欧モダン」と呼ばれるスタイルが形成された。現在はヴェルナー・パントンやエーロ・アアルニオの未来主義的なプラスティック家具、マリメッコのテキスタイルに代表される若々しい製品が有名。
11月4日に開催する「デンマークの家具デザインについて」と題する講演会は、北海道東海大学芸術工学部の織田憲嗣教授を講師に迎え、北欧家具デザイナーとの親交エピソードを中心に構成。11月17日に開催する「アンチ・北欧モダン デザイン&クラフト」トークショーは、アンドレアス&フレデリーカ(スウェーデン若手クリエーティブ・ユニット)をゲストに迎え、現代デザインとスウェーデンの50~60年代のグラフィックデザイナーについて語り合う。
開館時間は11時~19時(金曜・土曜のみ20時まで)。入場料は、一般=1,000円、大学・高校生=800円、中学・小学生=600円。月曜休館。来年1月14日まで。