東急ハンズ新宿店(渋谷区千駄ヶ谷5、TEL 03-5361-3111)7階のバラエティコーナーで現在、「すごろくや」(杉並区)監修のアナログゲームマーケットが開催されている。同コーナーで民芸品をモチーフにしたカードゲーム「民芸スタジアム」が体験できる。
全国の民芸品をモチーフにした「民芸スタジアム」は47枚のカードとサイコロがセットに
全47都道府県にあるこけしやだるまなど、さまざまな郷土玩具をモチーフにした同カードゲームは5月、クリエーターの乙幡(おつはた)啓子さんが代表を務める妄想工作所と、ゲーム開発を手掛けるウサギのコラボで作られた。
「最近乙幡さんが気になっていた『民芸』をテーマに何か企画できないかと考えた。あまりなじみがなかったが、調べ始めたら非常に深い世界に驚き、全都道府県の民芸品をリストアップした」とウサギの高橋さん。「人気のカードゲームのように、バトル形式で遊べるものができたらと発想した」とも。
ジャンケンマークと数字のほかに、各民芸品の特徴になぞられた特殊能力が書かれ、3つを組み合わせ先に一定数のカードをそろえたら勝ちとなる。
「小さな工房で職人が手掛けるものも多く、一軒ずつ電話して集める中で、神様がモチーフだったり、縁起を担いだりしているものが多いことが分かった。通常のゲームはカードに優劣があることが多いが、作り手の人たちが皆、思いを込め大切に作っていることも知り、どの民芸もそれぞれ平等にその良さを伝えたいという思いが強まった」と振り返る。
半年かけて民芸品を集め、ルーツや解説文も添えた。「初回生産分は2週間で完売するほど反響があった。協力してくださった全国の職人の方に送った際『自分たちの民芸品がカードに載ったこと以上に、全国に同じような作り手がいることを知ってうれしかった。知らない民芸品を知ることができて何度も眺めた』という声をいただいた」と高橋さん。
同店では、5~15分程度の対戦が体験できる。「初日から興味を持った方が立ち寄ってくださっている。地方に住む家族との交流や、海外からの観光客に、ゲームとしてだけでなく、図鑑としても楽しんでもらえたら」と意気込みを見せる。
実演は金曜~日曜・祝日12時~20時(水曜・木曜は16時~)。一部休止時間あり。8月上旬まで。