ロフトブックス(新宿区百人町1)が編集・制作を手がけ、ゲストハウスに住む人々のライフスタイルを紹介した書籍「東京ゲストハウスLife」(山と渓谷社刊)が2月に刊行された。
同書は、ゲストハウスに住む人々のライフスタイルを紹介するもの。ゲストハウスは、主に外国人をターゲットにした長期滞在可能な宿泊施設で、バス・トイレなどの設備を共用することが多い。
内容は2部構成で、前半では住人の生活をレポートした記事や上京日記、ゲストハウスを運営する管理人のコラムのほか、住人のアンケートをもとにした、ワンルームマンション生活者との比較も表で掲載。月々の家賃はゲストハウスが1割~2割ほど安く、水道光熱費込み、敷金礼金が不要などの事例から、ゲストハウス生活が「年間で38万円割安」という一例も提示している。
後半では、都心のゲストハウス270件を写真とデータで紹介。外国人専用を除いたゲストハウスは「ほぼ網羅」(同社)しているという。
編集を担当した今田壮さんは、「ニッポン放浪宿ガイド200」「オキナワ放浪宿ガイド120」(ともに山と渓谷社刊)の制作編集の過程で、ゲストハウス事情の変化を知ったことから今回の企画を思いついたという。「フリーターやバックパッカー、外国人などが多いという予想とは反して、例えば職場が六本木ヒルズの有名企業という現役住人もいた。今やゲストハウスは一部の人の間だけではなく、ごく普通のサラリーマンやOL、学生などの入居者が多く、東京で一人暮らしする人にとって、当たり前の選択肢になりつつある」と話している。
また、発売を記念した先ごろのイベントでは、「ゲストハウスの住人や管理人、これから住んでみたいという人のほか、不動産関連の業者や新規参入したいという人の参加も目立った」といい、今田さんは「ビジネスとしても注目されているのでは」と話している。