新宿パークタワー(新宿区西新宿3、TEL 03-5322-6640)1階のギャラリー1で現在、「フィン・ユール生誕100年記念展」が開催されている。
デンマークの建築家・家具デザイナーであるフィン・ユール(1912~1989)は、アルネ・ヤコブセンやハンス・J・ウェグナーらと並ぶデンマークの近代家具デザインにおける代表的人物。家具を「自由な人体のいれもの」とし、「ペリカンチェア」「イージーチェアNo.45」など複雑な曲線を持つ作品を残した。手掛けた分野は椅子やテーブル、ソファにとどまらず、自邸、ニューヨーク国連本部信託統治理事会会議場など多岐にわたる。
同展では現在製造されている作品と今後復刻される作品のプロトタイプを展示。名作と呼ばれる椅子やソファに、直接触れたり座ったりできるようにしている。中でも、世界で12脚しか存在しない「幻の椅子」と言われる「アームチェアNo.44」の復刻作品は日本初展示。併せて、自身が描いたスケッチや図面も紹介している。
現行商品の製造元であるOnecollection(デンマーク)の代理店デニッシュインテリアス(静岡県浜松市)の岡崎基晴社長によると、現行商品の多くは日本で作られており、生誕100年記念展も本国に先駆けて開催されたという。「実際に座ってみないと椅子の本当の良さは分からない。価格は決して安くないが、家具は使うために作られたもの。幻とか高価とかではなく、触れて座ってその良さを感じてほしい」と話す。
開場時間は10時30分~19時。入場無料。2月12日まで。